Google Opal入門としてできそうなことをGoogle Geminiに聞いた。一部は実際に作ったのでコメントを入れてまとめたい。
目次
Google Opalでできること・得意なこと
Google OpalとGeminiの連携により、ブログ記事の制作プロセスを劇的に効率化できる。最新のWeb情報を検索・収集し、特定のトピックに関するレポートや記事の構成案、本文ドラフトを自動で作成可能だ。多言語翻訳やトーン修正、ターゲット層に合わせたキャッチコピーのバリエーション生成など、言語処理能力を最大限に活用する。また、Imagenノード(モジュールのこと)を組み込むことで、記事内容に合ったオリジナルのアイキャッチ画像やイラストを生成し、テキストとビジュアルの両面でクリエイティブなコンテンツ制作をノーコードで実現する。これは、企画から公開までの時間短縮と、コンテンツの質の向上に大きく貢献するだろう。
- Webの最新情報を踏まえたマーケター向けレポートGeminiと検索ノードを連携し、最新情報を収集・整理し、自動で定型フォーマットの報告書を生成。
- ペルソナを設定できるためマーケターに向けたレポートを作ることもできるし、一般消費者向けのガイドを作ることができる。
- マーケター向けガイド(マーケター向けの表現にしろと指示している)
- 一般消費者向けガイド(一般消費者向けの表現にしろと指示している)
- 購買ガイド(消費者向けのリサーチャーというペルソナを設定している)
- ペルソナを設定できるためマーケターに向けたレポートを作ることもできるし、一般消費者向けのガイドを作ることができる。
- 多言語対応のカスタマーサポートボットGeminiによる自然な会話、翻訳ノード(多言語モデル)を組み込んだインテリジェントなチャットボット。
- インタラクティブで連続する会話に耐えられるかな?という気がする。これは少し難しいのではないかと思った。
- AIを活用したブログ記事の企画・生成ターゲット層とキーワードをGeminiに分析させ、アウトライン作成から記事本文のドラフトまで自動化。
- Google Documentsの書式を整形できるので記事そのものは作れると思うのだが、AIで作った粗製乱造的な記事がどの程度受け入れられるかは未知数。
- GEMINIがビジュアルスタジオという仕組みを作っている。例えばパンケーキの作り方や京都観光ガイドなどをビジュアル化してくれる。このためわざわざAIで作った文書を公開する意味はあまりないのではないか。
- Webサイトのコピーライティング・ABテスト用バリエーション生成商品情報やターゲットを入力し、Geminiに効果的なキャッチコピーを複数パターン生成させる。
- Webサイトを作らせるよりはタイトルを複数作らせてABテストを実施するなどの使い方をしたほうがいいのではないかと思う。
- プログラミングコードのスニペット生成・デバッグアシスタントGeminiのコーディング能力を活かし、特定のタスク(データ処理など)に特化したコード生成アプリ。
- プログラミングとは違うが、ルーターのログを食わせて分析してもらうプログラムを作った。拡張子がlogだとアップロードできないのでtxtにしたが、問題なく解析してくれた。おそらくこのあたりは得意分野だろう。
- 社内ドキュメント検索・要約システム(RAG)社内文書を知識ベースとして取り込み、Geminiで質問応答と要約を行う。
- Google Documentsの書式を指定しておくとおそらくかなり見やすいまとめを作ってくれる。またそのまま社内共有できる。
- 会議の音声記録からの議事録自動作成音声認識APIと連携し、Geminiで発言者の特定、要約、アクションアイテムの抽出を自動化。
- Google Drive内部のビデオ・音声ファイルを解析してくれるようなのでこのあたりも得意分野だろう。
- メールや報告書のトーン&マナー修正ツール入力テキストをGeminiが分析し、フォーマル/カジュアル、ポジティブ/ネガティブなど指定したトーンに書き換え。
- 専門用語や略語の解説辞書アプリ特定の業界用語を学習データに追加し、Geminiで正確かつ分かりやすい解説を即座に生成。
- データベースは使えないのでGoogle Driveに社内の用語集などを作っておいてそれを学習させてわかりやすい形で整形するということなのだろう。これも得意分野と考えられる。ユーザーから質問を受けてから検索させる(Retrieval-Augmented Generation・RAG・検索拡張生成)のが効率的なようだ。
- 実際にはWebのデータからそれらしいレポートを作ることもできる。ただ最新情報が欲しければあらかじめ学習データを準備しておいたほうがいい。
- 特定のテーマに関する包括的なQ&A自動作成専門知識やWeb検索結果に基づき、想定される質問と回答のセットを自動で大量生成。
- データベースは使えないのでGoogle Driveに社内の用語集などを作っておいてそれを学習させてわかりやすい形で整形するということなのだろう。これも得意分野と考えられる。
- クリエイティブな画像生成とキャプション提案Imagenノード(機能モジュールのようなもの)で画像を生成し、その画像の内容をGeminiに分析させて、SNS向けのキャプションを自動生成。
- 画像生成は極めて簡単だが「キャプションも作ってくれるのか」と感心した。
- タロット占い/占星術などに基づくパーソナライズされたメッセージ生成複雑なルールとランダム性、そしてGeminiの物語生成能力を組み合わせたエンターテイメントアプリ。
- 求人情報と履歴書の自動マッチング・評価職務要件とスキルをGeminiに比較させ、適合度をスコアリングするワークフロー。
- 教育者向けテスト問題の自動作成教材テキストを入力し、Geminiに難易度を指定して複数の形式(選択式、記述式など)の問題を作成させる。
- 動画のアイデア出しとシナリオ構成Veoノード(動画生成)と連携し、アイデアから具体的な映像シーン、ナレーションのシナリオをGeminiが作成。
- 動画関連は無料版ではリソースがタイトでほとんど使い物にならないが有料版であればこうしたアプリケーションも作成可能かもしれない。
- 写真の解析
- これはGEMINIの提案ではないのだが簡単な姿勢解析をしてくれた。おそらくある程度は画像解析能力を持っているはずだ。ただ毎回表現が変わるなど安定しない部分もある。
Google Opalでできないこと・やらせないほうがいいこと
Opalで作るブログアプリにも限界がある。まず、医療や法律に関わる専門的な診断や法的助言など、責任の所在が問われるコンテンツは、倫理的・法的な制約から生成できない。また、最新の株価や天気予報のようなリアルタイム性の高い情報は、外部の専用APIとの連携が不可欠であり、LLM単独では保証できない。さらに、高度な数理計算や、手書きの複雑な文字認識、視覚的なUI/UX評価などは、LLMの苦手分野だ。Opalは強力な連携ツールだが、最終的な情報の正確性チェックや、専門的な判断を伴うコンテンツの監修は人間が行う必要がある。
実際にポートフォリオ計算システムを作ってもらったが内容の正確性は担保できなかった。インタラクティブグラフ化などは行えるのだがこれもできたりできなかったりと極めて不安定。専門性が高い分野にはまだ向かないようだ。
専門性が高い相談は処理が中断される可能性が高いが、Opalプログラマーが意図的にエラー処理画面を作って置くことも習慣化したほうがいいかもしれない。
- 医療・病状に関する専門的な診断や治療方針の助言【倫理・責任】 医療行為に当たるため、情報の正確性と責任が保証できず、利用規約で禁止される可能性が高い。
- 法的紛争に関する専門的・個別具体的な助言【倫理・責任】 弁護士法などの専門法に抵触する可能性があり、法的判断の責任が取れない。
- ポートフォリオの収益計算や高度な財務分析【数理・正確性】 高度な数理計算はLLMが苦手。専用の計算エンジンAPI(金融ライブラリなど)との連携が必須。
- リアルタイムの株価、為替、天気予報の提供【リアルタイム】 LLMは学習データに基づくため、常に最新情報を提供するには信頼できる外部APIとの連携が不可欠。20写真を使った姿勢解析と専門的な運動指導【画像認識・専門性】 画像解析(Vision)技術との連携は可能だが、解析結果に基づく専門的な指導には理学療法士などの知識が必要。
- 非常に長い(数時間分)動画の内容の正確な逐語録作成【処理量・コンテキスト】 大量の非テキストデータ処理と、LLMのコンテキストウィンドウの制約により、高精度な処理は難しい。
- 製造業向けの複雑な設計図の検証【専門データ】 CADデータや幾何学的な検証はLLMの得意分野ではない。専用の設計検証システムとの連携が必要。
- WebサイトやアプリのUI/UX評価【視覚情報・主観】 画面の構成やユーザビリティといった視覚的な評価は、LLMより専用のヒューリスティック評価ツールが優位。
- 企業内の機密文書に基づいた高度な意思決定支援【セキュリティ・機密性】 RAGは可能だが、極秘情報に対する厳重なセキュリティ対策と監査ログが、ノーコードツールでは確保しにくい。
- 自動車の自動運転判断ロジック(安全制御)【安全性・即時性】 人命に関わる決定的な判断には、より信頼性と応答速度の高い専用AIモデルが必須。
- 過去の判例データに基づいた裁判結果の予測【法的推論】 複雑な法的論点や微妙なニュアンスの推論は難しく、あくまで傾向分析にとどまる。
- 極めてニッチな文化圏の高度な慣用句のニュアンス解析【データ不足】 大規模な学習データに含まれない、特殊な文化的背景や文脈の理解に誤りが生じやすい。
- パーソナルなメンタルヘルス相談【共感性・倫理】 個別の感情やデリケートな状況判断が困難であり、専門家へのつなぎが主な役割となる。
- 手書きメモのデジタルデータ化と高度な分類【非テキスト入力】 OCR(光学文字認識)技術との連携が必須。LLMはその後の分類や整理に役立つ。
- 特定の人物の声色を模倣した音声合成(ディープフェイク防止)【技術・倫理】 高度な音声合成技術が必要であり、倫理的・法的な制約から機能提供が制限される。

コメントを残す