iPad3の液晶パネルを使ってポートレート用の外付けモニターを作成する

ちょっと昔にiPad3のモニターを再利用してRetinaディスプレイを作るというプロジェクトが流行ったことがあるらしい。世の中には才能に恵まれた器用な人たちがいて問題なくプロジェクトを完成させている。これを不器用な人がやるとどうなるかというレポートをやってみたい。

紆余曲折を経て最終的にはダイソーで買ってきた材料を使ってモニターのカバーを完成させた。

アクティベーションロックのかかったiPad3を購入した

ことの発端はヤフオクでアクティベーションロックのかかったiPad3を買ったことだった。「なんとかなるかもしれない」と甘く見ていたのだが、結論からいうとどうにもならなかった。そこでヤケになって分解したのだが再組み立てができなくなった。

そこで検索したところ「国内にLDCコントローラを作っているメーカーがある」ということがわかった。ウェブを見るとこれを使っていとも簡単に外付けモニターを作っている人がたくさんいる。

コントロール基板を売っているのはAbusemarKという熊本の会社らしい。しばらく逡巡していたのだがついに買ってしまった。Paypal払いで3,420円である。ショッピングサイトのインターフェイスがわかりにくくリンク先のページで直接Paypal払いを選んでしてしまうと送付先の住所登録がない状態でPaypal支払い画面に行ってしまう。必ず「go to checkup」を選んで住所などを登録してから支払いをしなければならない。本体が3000円で手数料が420円かかる。国内だと郵送で数日で送られてくる。

絶縁素材も何を使っていいかわからないのでポイントカードを犠牲にして両面テープで貼り付けてみた。

ボードのUSBコネクターを破壊してしまう

ここで悲劇が起こった。基板が怖いので恐る恐るやっていたのだがUSBを引き抜くときにコンセントの部品を壊してしまった。単なる基板なので取扱注意だ。ここで「ああ終わったな」と思った。

この企画の元ネタは週刊アスキーなのだが、落ち着いて読んでみると「パーツが折れやすい」としっかり書いてある。読み飛ばしていた。

3,000円を捨てる気にならず諦めきれなかった。基板をぼーっと眺めていると5つ穴が空いていて5Vと書いてある。そこで検索したところUSBは4本の線があり赤が5Vで黒がGroundになっているらしい。そこでUSBケーブルを一つ犠牲にしてつないだらなんとなく電気が通ってしまった。LDCライトが青く点灯して通電である。

あとでいろいろ見てみたら製品ページの下の方にPDFのリンクがあるということがわかった。そこにWindowsからの基板の制御方法とか5つ空いている穴の使い方などがきちんと書いてあった。

ここが素人の悲しいところででどのように線を固定していいかわからなかった。結局、ハンダ付けをしないと安定しなかった。

MacMiniのMid 2010はmini displayポートになっている。どいうことでminiDP/miniDPのケーブルさえ買えばいい。

この時点ではmini displayポートのケーブルがなかったのでAmazonで購入することにした。「もしかして無駄になってしまうかも」と思った。電源LEDは点灯するがボードが生きているかどうか確信が持てなかったからである。Cable Matters Mini DisplayPortケーブル Mini DPケーブル ミニディスプレイポート 4K解像度対応 2m 金メッキコネクタ搭載というのを見つけた。Amazonだと1,000円以下で手に入るようだ。

ケースをどう作るべきか問題

次の問題はケースだ。どう作っていいかわからない。そもそも線が切れているので気持ち的には萎えていた。結局100円均一ショップダイソーでコルクボードもどき(B5)とブックスタンドを買ってきた。ディスプレイはそのまま置いてもいいと思うのだがかなり薄いのでなんとなく支えがあったほうがよさそうである。

だが、線が汚い。これは失敗のようだ。

直接つないでみたのだが画面が表示されない。「失敗した」と思ったのだが、Macを再起動したら認識された。モニター設定を縦に変えて完成である。

いろいろな人がやっているものをみるといとも簡単にやっているように見えるのだが、素人にはそれなりに難しかった。一応システムとしては電源さえ確保できればYouTube閲覧用の簡易ステーションみたいなものが作れる。縦型にできるので縦長のWebページなどを閲覧するのに便利だ。

しばらくそのまま放置していたのだが、結局ダイソーでスポンジパネルを買ってきた。木材と違って加工ができる。

スリープにしても電源が通ったままになってしまう。バックライトを消すためには裏にあるスイッチを押さなければならないのだがスイッチが脆いのであまり触りたくない。そこでUSBスイッチを買ってきた。スリープにしてから手動でスイッチを押すという手順になる。付ける時も自動では復帰してくれずスイッチを入れ直すことになる。

元々のディスプレイの性能は良いのでつないでしまえば安定して使える。100円のボードに挟み込んだおかげで安定して使えるようになった。メインの作業をするときにメールの画面をここに置いておくと便利である。

この状態で3年ほど使っていたのだが少し欲が出てきたので枠を作り直してみることにした。ムービーも作り直してみた。BGMなんかもついて心なしか数年前よりもきれいに作れるようになったようだ。

MDボードで枠を作り直した
最後に枠をつけてなんとなくそれっぽく仕上げた
ちょっとした確認作業に便利

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