最初のMacBookが発売されたのは2006年のことだ。この年から2009年の中頃までに発売されたMacBookの型番がA1181である。教育現場で使うことを想定した壊れにくい白い(一部黒もある)プラスチックの筐体が特徴だ。一般的にポリカーボネートモデルなどと言われる。
一番の利点はヤフオクなどのオークションで格安で手に入る点である。ヤフオク落札相場を調べると動作品が2000円から5000円程度といったところである。運が良ければ1,000円以下で手に入る場合もある。
さらに、HDDとメモリの交換が楽なことである。ユーザーがメンテナンスすることを念頭に置いた最後のMacと言って良いだろう。
- 2006年版Core Duoモデル:Snow Leopard(10.6)まで利用可能だ。ここではLeopard(10.5)でできることを説明する。
- 2008年Early, Midモデル:Lion(10.7)まで利用可能
- 2009年Midモデル:El Capitan(10.11)まで利用可能。一応ChromeやMailなどでインターネット接続ができるのでYouTubeなども閲覧可能である。
まず最初の一台を購入する場合には動くものを選んだほうがいい。OS10.5, 10.6, 10.7は入手にお金がかかるのだが、動くものであればOSをコピーすれば別のMacBookでも利用可能だ。ライセンス的には微妙なところだがWindowsのようなハードウェアチェックはない。これとは別にMagSafeACアダプター(60w)が必要である。被覆が破れていてもいいので純正品を使ったほうがいい。被覆は修復方法がある。
モバイル機器としては使えないと思ったほうがいい。バッテリーの純正品はもう出ていない。代替品が出ているがはめ込みが難しく固定用のラッチが壊れてしまうことがある。動作も不安定だ。満充電したら充電回路が使えなくなってしまった。もともと充電回路に不安を抱えていたのか代替電池のせいなのかはよくわからない。
どうしてもネット接続したい人はChrome OS Flexという手がある。
一度動くものを手に入れるとOSが手に入る。OSが手に入れば、あとははてなマークが出ているMacBookを買ってもいい。ハードディスクが抜かれているために起こる現象だがハードディスクにOSを入れさえすればまた動く。はてなマークが出るということはメモリが入っていて画面も動くということだ。ハードディスクをコピーするためには2つのHDD外付けケースと1台のMacが必要である。
改造の仕方
- メモリはDDR2という古い規格のものを使う。DDR2/667Mhzを探して買ってくるといい。Amazonで見ると2GBでも2GBx2の4GBセットでも同じくらいの値段(2000円程度)で手に入るようだ。
- 価格が安いSSDでもいいので換装すると立ち上がりが早くなる。ビデオエディティングをするわけでもないので早くすることに意味はないかもしれないが、起動が早いのはそれなりに気持ちがいい。
- A1181はメンテナンスが非常に楽である。プラスドライバーだけで裏蓋を開けることなくHDDとメモリの交換ができる。必ず電源を落として交換すること。
出来ること
A1181をLeopardで使うとSSLの関係からネットのブラウジングなどはできない。Chromeもこの時代のOSには対応していない。しかし、中古市場を当たれば使えるソリューションがたくさんある。
楽器になる。
- USB MIDIインターフェイス(EDIROL USB MIDIインターフェース UM-1EXが手に入る)
- GarageBand
- OS10.5のGarageBandは手持ちのiLife 04を使うとインストールすることができた。持っていなければヤフオクなどで見つけてくる必要がある。iLife 04のバージョンは1である。基本的な作曲はできるレベルだ。
- OS10.6用のGarageBandiでLife 06で手に入れることができたが「OS10.6専用」と書かれていた。2006年ごろからMacにiLifeにバンドルされるようになったので、特定のOSと結びついたものとと単体で販売されているものがあるようだ。当時「バンドルされたものを別のMacでも使いたいが使えなかった」などという混乱もあったようだ。入手する際には気をつけたい。
- OS10.11を使っている人はAppleストアでGarageBand入手できた。インストールを選択すると最新版はインストールできないが古いバージョンがインストールできる。バージョンは10.2だった。
- OS10.13対応のGarageBandもAppleストアでインストールできた。バージョンは10.3.5だった。
- OS 11.3(Big Sur)の対応版は14.3だった。
- 任意のMIDI楽器
CANON製カメラを使ったデジタルスタジオが作れる
- Canon製カメラ(EOS Kiss Digital, EOS Kiss Digital N, 10D, 20D, Xだと利用できない機能がある)
- Digital Solution Utility 20.2(ネットで公開されていないのでディスクをヤフオクなどで探す必要がある)
- Adobe Photoshop, Illustratorなどを持っていればグラフィック環境が作れる。
- ハードオフなどでスキャナーが500円程度で手に入る。
MiniDVアダプターを準備すれば外付けのモニターも利用することができる。
デジタルテレビ・録画機として使える
- M2TVなどの外付けチューナー
- 大きめのハードディスク
- B-CASカード
数時間程度の予約録画であれば問題なくこなすことができる。ただしハードディスクの容量が必要なので少し大きめのハードディスクを買っておくと良い。M2TVだと番組を外に持ち出すことはできない。また32bitでしか動かないのでMacOSは10.5か10.7程度にしておいたほうがいい。専用ソフトウェアはなくてもI/O Dataのサイトからダウンロードできる。外付けモニターには画像が出せないのでMacMiniなどでは利用できない。
製造年ごとの違い
OS10.11を利用するつもりであればMacBook Early 2009などを探したほうがいいのだが、Core 2 Duoの処理能力にはそれほどの違いはない。だからMacBook 2006であろうがMacBook 2009 だろうがあまり関係はないと言っても良いだろう。
ちなみにこのグラフで一番スペックが低いのはMacBook Air 2010である。一番スペックが低いのだがなぜかこれだけHigh Sierraで動作するMacBookである。
ただし、どうしてもネットで使いたいなら2009年モデルを探してきてEl Capitanで使うことができる。セットアップのためにはEl Capitan以上が動く別のMacが必要なのでわざわざサブ機としてEl Capitan機を入手する人はいないのではないかと思う。Big Surが使えるMacMini 2014が15000円から20000円くらいで落札できるのでメインとして使うならこれくらい出したほうがいいと思う。
オススメの使い方はネットに接続せずに何らかの創作活動に使うという使い方なのだが、どうしてもネット接続したいというならChrome OS Flexという手がある。だがFireTVやChromecast with Google TVのように5,000円くらい出せばYouTubeを見ることもできる。
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