GoogleWorkspaceの無料提供が終わるので移行作業を進めていた。ドメインをGmail側に移してメールサービスは格安のレンタルサーバーであるラクサバに移した。ところがここからメールを送るとGoogleから弾かれてしまう。どうやらラクサバがスパム認定されていたようである。話のわからないサポートと戦いようやくメールが送れるようになった。
現象はわかったのだが、これを改善するのがとても大変だった。格安サービスだけあってサポートが非常に貧弱なのだ。二言目には「こちらのせいではない」とか「お客様で勉強なさってください」といってくる。
Googleのスパム認定はDKIMとSPFという二つの認証システムを使って行われる。ラクサバからメールを送ると次のようなメッセージが送り返されてくる。unsolicitedとは特定されていないという意味だ。
Our system has detected that this message is likely unsolicited mail. To reduce the amount of spam sent to Gmail, this message has been blocked.
これが「特定されていない」のはReporting-MTAに016.rakusaba.jpが登録されているからである。これはサーバー設置者が設定するものでありユーザーには変えらえない。unsolicitedといってくるので「認証すればいいのだろう」と考えた。ラクサバ側が「自分で勉強しろ」と上から目線で言ってくることは確実なので自分で探してみることにした。
Google Postmasterツールというものがあり所有者がはっきりしているドメインから送られてきたメールを通すようになっている。そこで認証して所有権を確認すればいいのだろうと考えた。
もちろんラクサバにもそれなりの対応ツールを用意している。originalname.rakusaba.jpというユーザーに固有で割り振られているSPF情報をtxtレコードで入れてやる仕組みがあるのだ。ラクサバ側のc Panelでoriginalname.rakusaba.jpのmxレコードに追加情報を付加したところ「所有が確認された」といってきた。
まずは一安心だ。
ところがメール自体は016.rakusaba.jp(レンタルサーバーなので他の人も利用している)から送られていることになっている。これがスパム認定されているのでこの作業でメールがスパム解除されることはなかった。つまり、サーバー側が準備している対応策には実は意味がない。さらに、016.rakusaba.jpを使っている人はこれまで誰もGmailにメールを送ることができずにいたのだ。気が付いていた人はいたのだろうが皆泣き寝入りしてきたのだろう。
ラクサバ側は次のように言い訳してきた。
「Postmaster Tools」で行う認証とは、当該ツールに登録したドメインの所有権を証明するための認証であり、上述のとおり、登録したドメインから送信されたメールの受信を許可するための認証ではございません。
実は実際の問題は別のところにあった。
Gmail側でIPアドレスを指定してメールの受信をブロックしているため、別のサーバーを経由してメールを送信するよう設定いたしました。
格安サーバーなのでおそらくスパムを送りつけるようなキャンペーンに利用されてきたのかもしれない。また単に016.rakusaba.jpに正しいDKIM/SPF情報が付加できなかったのかもしれない。前者であればこれまで他のユーザーは泣き寝入りしてきたことになる。
ちなみにブラックリスト入りしているかどうかチェックするリストがある。検索したところ見事にブラックリスト入りしていた。
いずれにせよ改めてメールを送ったところ次のような情報が付加されていた。設定変更前に弾かれていたのはドメイン名だったがIPアドレスに変わっていた。
SPF: | PASS(IP: 17.58.6.53) |
---|
ARC-Authentication-Results: i=1; mx.google.com; spf=pass (google.com: domain of xxxx@hidezumi.com designates 17.58.6.53 as permitted sender) smtp.mailfrom=xxxx@hidezumi.com
とりあえずIPアドレスとしては(今の所)許可されているセンダーということになった。ただ、
この状態だとこのIPアドレスがスパム認定されててしまうとまたメールが送れなくなる。つまりレンタルサーバーは「運命共同体」になっているのだ。このため自分で管理できるドメイン名から送っているというようにHELO情報を変えてもらいたかったのだが、そもそも技術者が状況を理解した上で要望に応えてくれることはなさそうである。
何回かやりとりを繰り返したがネームサーバーとしてGoogleが指定されているのだからGoogle側で設定しろといってくる。独自ドメインはGoogleで取っているので対応可能なのだがrakusaba.jpはラクサバ側が管理しているのでこれでは対応ができないのだ。
今回学んだ対策は格安サービスのサポートと渡り合うことはクレーマー覚悟で強く臨んだほうがいいということだろう。物分かりの良い対応をしていると「お客様の勘違いではないですか?」とあしらわれる。
さらにラクサバに限らず格安のサービスプロバイダはスパム認定されている可能性がある。臨時のキャンペーンなどに利用しやすいので当然といえば当然だ。真面目にマーケティングキャンペーンをやりたい人は気をつけてプロバイダーを選んだ方がいい。
メールを受けることはできるので受け専用で使って送信は信頼できるサービスから送った方がいいかもしれない。かつてGmailのようなフリーアカウントは信頼できないなどと言われてきたものだが実は今ではGmailの方が信頼できるという状態になっている。
作者について
Macを使って、写真撮影・管理、レタッチと加工、MIDI楽器を使った作曲、YouTubeに使う動画の撮影と編集などがやりたかった。お金がないので「古いMacを使ってどうにかしよう」とヤフオクなどを漁り始めた。
だんだんガジェットMacを物色すること自体が楽しくなり、家に使いもしない古いMacBookなどが溜まりつつある。MacBookだけで、MacBook Late 2007, MacBook Early 2008, Late 2008, EarlyかMid 2009, MacBook Air 2010がある。どれも古いものばかり。
時々短いiMovieで加工したYouTubeビデオなどを上げているが、まだ編集の仕方がよくわかっていない。
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