古いMacを持ち続けたい人のためのAirMac Express・AirMac Extreme活用ガイド

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このエントリーではAirMac Express・Extremeの使い方を説明する。Appleがもう作っていない製品をあえて紹介するのはAirMac Express・Extremeでしか実現できないことがあるからだ。しかし古い製品なので製品の癖を解説してくれる情報があまりない。

Apple製品をあえて使うメリット

  • Apple製品を使うとApple用のHDD(GUIDパーテーション)がそのまま使えるというメリットがある。また設定もOSに統合されているのでBuffaloなどの製品を使うよりは簡単である。
  • AirMac Extremeは古いMacと新しいMacから接続できる。つまり古いMacを持っている人はファイルの中継機として使える。
  • またApple製品はAirPlayを通じて音を送ることもできる。特にHDMI非対応の古いオーディオセットと使いたい場合にはこれがメリットになる。

Airmac Expressにはブリッジモードと言われるモードがついている。検証のためにハードオフで全ての世代のAirmac Expressを買ってきた。3台の合計金額は2,750円だった。のちにAirmac Extremeの第5世代を見つけた。

設定は極めて簡単だが……

設定そのものは極めて簡単なのだが落とし穴もある。古い製品を設定するためには古いMacが必要。ただしこのエントリーはそもそも「古いMacを使い続ける」のが前提なのでここはクリアされていると考えたい。今回はブリッジモードの設定を例に挙げて説明する。

古いAirMacユーティリティの操作方法

古いAirMacユーティリティでは「インターネット接続」から「接続共有」を選び操作する。

802.11 gバージョンの設定。Ethernet接続を選んで接続共有で切を選ぶ
802.11 n 第二世代の設定。Ethernet接続を選んで接続共有で切を選ぶ

現行バージョンの操作方法

比較的新しいバージョンのAirmacユーティリティはこういう形になる。ルーターモード:オフ(ブリッジモード)と名前が変わっている。要するに「ネットワークの分断をしないでくれ」ということだ。

こうすることで全ての機器が同じネットワークに入り全体が見渡せるようになった。

そもそもブリッジモードは何のためにあるのか?

全ての機器をインターネットに接続するためには同じセグメントに収める必要がある

全ての機器をインターネットに接続するためには全ての機器を同じネットワーク・セグメントに接続する必要がある。このために使うのがブリッジモードだ。ブリッジモードが重要なのは本来「根本」で使っていたネットワーク機器を末端で使うからである。

今回はまずAirmac Express系の3種類を準備したが、基本的な概念や操作方法はAirmac Extremeでも同じである。

  1. Airmac Express 802.11 g:ACアダプター型の最初のモデル。後述するようにジャンクのために無線LANに問題があった。WANポートがついている。
  2. Airmac Express 802.11 n 第一世代:ACアダプター型の二番目のモデル。802.11 nに対応した。WAN/LAN兼用ポートがついている。
  3. Airmac Express 802.11 n 第二世代:AppleTVと同じ形をしている。WANポートとLANポートが分かれている。

これを次のようにして接続した。

これをこのまま接続するとネットワークの分断が起きてしまい、家中のMacから音を飛ばすなどという使い方ができなくなる。

ネットワーク図を書き直してみた。それぞれの機器が壁になっていて外との接続が妨げられている。このため中心の狭い部分にある機器(2)しかインターネットに接続できないのだ。これがセグメント化だ。

セグメント解消のためにはブリッジモードを使う

1と3をインターネットに接続するためには、それぞれをブリッジモードにする必要がある。802.11 gはOS 10.5とOS10.6で動くAirMacユーティリティでしか管理できないので今回は古いバージョンのAirmacユーティリティで設定することにした。接続共有:切(ブリッジモード)と書かれている。

AirMacのルーターモードを変更できないという人がいる。どこで設定していいかわからないのだろう。

実はAppleのメニューに「ルーターモード変更」というメニューはない。例えばBuffaloの製品には「ルーターモード設定ボタン」がついていたりアプリケーションで切り替えができるようになっている。ここでつまづく人は意外と多いのではないだろうか。

セグメントが解消されると全ての機器がインターネットにつながる

Airmac Express1とAirmac Express 3はWi-Fiの電波を飛ばしているので接続するとインターネットにつながる。またスピーカーも見ることができるようになった。

ルーター機能は「国境」のような役割を果たしている。これを取り除くと全てが同じネットワークに所属できるようになるのだ。

802.11 gと802.11 n 1st genは外からは区別ができない。
802.11 n 2nd genはAppleTVのような形をしている

便利だが意外と使いにくいAppleのネットワーク拡張

AirmacはSSIDを統合するネットワーク拡張という仕組みがある。ユーザーがSSIDを意識することなく接続すればあとはAirmacが適当に捌いてくれるという仕組みである。一見便利そうなのだが意外と面倒だった。現在ではメッシュ技術が発展しているのだがAppleは独自規格としてこれを実現しようとしていた。しかし結果的にAppleの規格がデファクト化することはなかった。

設定自体はそれほど難しくない

Airmac ExpressはAirmac Extremeの中継器として利用することも想定されている。このためまずAirmac Extremeをネットに接続しておきAirmac Expressを足すと「ネットワークの拡張」をするかを聞かれる。これでWi-Fiの電波が届きにくいところを埋めるためにAirmac Expressを中継器として利用するためのモードだ。ユーザーはSSIDについて意識する必要はない。

ちなみにAirMac Extremeを後から購入しても自動的にAirmacを探して拡張モードで繋ぎに行こうとする。つまりAirmac Extremeが親機である必要はないようだ。

どちらに接続されているかわからないため意外と使い勝手が悪い

設定は簡単だ。ただその設定が必ずしも好ましいものにならない可能性がある。

まずMacにEthernetで接続し設定アプリを開く。「その他のデバイス」を押すと設定画面が出て自動で接続される。ただ自動設定のままだと450Mbpsで接続されているのに実測値を計測すると1Mbpsなどの極めて低速の接続になったりする。

今回はAirmac Express3というSSIDにしているのだがAirmac Express 802.11 n 2nd genに接続しているのかAirmac Extremeに接続しているのかわからなくなってしまう。「拡張」なのでデフォルト設定ではどちらも同じSSID二しか見えないためである。

実際にどこに何が接続されているのかは設定アプリで判断するしかない。

どのクライアントが接続されているかを確認することができる

自動で設定されてしまっているので接続ルートによっては接続しているHDDへのアクセスが極端に遅くなったりインターネットへの接続が極端に遅くなったりする。例えばTimemachineの初回などは100GB単位のデータを送信したりするので通信速度はできるだけ早くしておきたい。そのためにはまずSSID名を変えて明示的にそこに接続しに行く必要がある。となるとネットワーク拡張は使わない方が良いということになる。

Airmac Extremeも親機ではなく拡張機器として使える

意外に思えるかもしれないがAirmac ExpressもAirmac Extremeも機器としては同じものである。つまりAirmac ExpresのSSIDをAirmac Extremeで中継することもできるしAirmac ExtremeのSSIDをAirmac Expressで中継することもできる。ただし、前述したようにSSIDを同じにしてしまうとどちらに接続しているのかよくわからなくなってしまうことがある。

例えばAirmac ExtremeにHDDを接続している場合などは接続が早い方がいいわけだから分けておいた方が使いやすいかもしれない。

Airmac Expressを使うべきシーンとAirmac Extremeを使うべきシーン

Wi-Fiルーター・中継機としては同じような性能を持っているAirmac ExpressとExtremeの違いは次のようなものだ。

  • Airmac ExpressにはAirplayのスピーカーが接続できる
  • Airmac ExtremeにはUSBディスクが接続できる。USBディスクはAPSFには対応していない。新しいMacでHDDをフォーマットする場合にはこのGUIDのコンテナを作る必要がある。またネットワークを拡張することができる。

Airmac Expressを使うべきシーン

Airmac Expressを使うべきシーンはいくつかある。

  • 無線対応していないMacを一台だけ接続したい。
  • ホームシアターシステムに音声データを送りたい。

Airmac Extremeを使うべきシーン

  • 無線対応していないMacを3台まで接続したい。
  • ハードディスクを接続してNASのように利用したい。

ちなみにTimemachineにも対応しているのだがこれはあまり利用しない方が良さそうだ。最初は伝送速度があまり速くないようでお話にならなかった。設定を見直せばなんとかなる可能性もあるがUSBケーブルで接続した方が手っ取り早い気がする。

結局、SSIDを分けて明示的にAirmac Extremeに接続しに行くと「まあ使えるかな」という程度の実測値を得ることができた。転送速度は機種によって異なるが300Mbpsから450Mbps(Airmac Extremeの最大値だ)と言ったところ。

ちなみに消費電力は30W以下ということである。これはMacMiniをファイルサーバーとして立ち上げるよりややましと言った程度。

Airmac Expressの他者製品との相性問題

「混ぜるな不安定」 実際に使ってみないと分からない不安定さ

今回買ってきたAirmac Express 802.g(第一世代のAirmac Express)はあまり調子が良くないようである。Wi-Fiので接続すると設定ができなくなることがあった。ネットワークから消えてしまうのだ。さらにこれを接続するとネットワーク全体がインターネットに接続できなくなることがある。これを抜いたところネットワークが復旧したためになんらかの不具合を起こしているようだ。

最初は「ハードオフで買った中古品だからだろう」と思っていたのだが、実はそうではなかった。Airmac Express 802.11 n 第二世代の子機として接続したところ安定するようになった。まずAirmac Express 802.11 n 第二世代のEithernetポートにONUを接続しブリッジモードでWi-Fi電波を出すことにした。そのWi-FiにAirmac Express 802.11 gを接続すると安定する。つまり他社製のWi-Fiとの相性が良くないことになる。ONUからの電波を中継することもできないしBuffaloの機器とも相性が良くなかった。

AppleはApple同士で接続すると安定する

なおネットワーク設定を色々といじると思わぬところに弊害が出ることがある。今回も直接ONUに接続してスピードテストをやったところアップロードが1Mbpsという数字が出た。ONUを再起動したところ元に戻った。同じ形をしているのにAirmac Express 802.11 n 第一世代は直接他社のWi-Fiに接続しても何の問題も起きない。不思議といえば不思議なのだが「これはそういうものだろう」と考えざるを得ない。

きちんと設定してやればスピーカーを共有しつつネットワークアダプターとしても使える

今回一通りAirmacを買ったのはBuffaloのWZR-HP-G301NH/Eを置き換えたかったからだ。WZR-HP-G301NH/Eは親機と子機の組み合わせになっている。無線LANに対応していないPowerMac G4のアダプターとして利用していたのだが使わないときにはこれといった用事もないために撤去することにした。

また今使っているONU(光ファイバー通信用の端末)のWi-Fiルーター機能は非力なのでできるだけ負荷はAirmac側にかかるようにしている。

Airmac Extreme購入前の最終構成
Airmac Extreme購入後の最終構成
Extreme側は「拡張:を選んでいるので自動的にブリッジとして機能する

802.11 n 第一世代か第二世代が1台だけあれば二台分の仕事をしてくれるのだが安かったので話のネタにと全て買うことにした。802.11 gと802.11 n第一世代が各500円で、802.11 n第二世代が1500円だった。さらに、Airmac Expressにはスピーカー共有機能もついているためホームシアターシステムに接続しておけば同じネットワーク上のMacを全てホームシアターシステムに接続させることができる。

もちろんルーターモードにして接続することも可能

AirmacExpressのルーター機能をONにするとどうなるのか。ルーター機能をONにしたネットワークはインターネットから遮断される。つまり外側から覗き見できなくなる。これをうまく利用すればファイル共有システムをインターネットと独立させることも可能である。

ただしセキュアなクラウドネットワークが普及した今、こうしたホームネットワークの需要はそれほど多くないかもしれない。

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