Quoraに「学生だけどスマホにも飽きたのでできるだけ安く一眼レフカメラを覚えたい」という質問があった。なるほどいい質問だなと思ったので、改めておすすめのセッティングなどを書いてみたい。ここでお薦めするのはCANON EOSシリーズと中古Macの組み合わせである。
メリットとデメリット
メリット
まずCANON EOS Kissシリーズのメリットを書く。意外と忘れられがちだが「周辺機材」の方が高くつく。
- 筐体が比較的安価:EOS Kiss Digitalなどが安く手に入るがMacとの連携を考えるとEOS Kiss X2以降のものを手に入れた方がいい。一通り動画もやりたいならEOS Kiss X4以降をお薦めする。
- フィルム時代のレンズが安価に手に入る。一眼レフなので当然レンズを変えたくなるのだが、このレンズ代が馬鹿にならない。
- 代替電池が簡単に手に入る。
- レタッチ用のソフトウェアDigital Photo Professionalが無料で手に入る。ただしダウンロードのためにはカメラにシリアルナンバーがはっきりと読み取れるものでなければならない。
デメリット
デメリットも書く。例えば子供を撮影したいとか小鳥を撮りたいなどと考える人は後々不満を感じることになるのかもしれない。
- この世代のカメラは動いているものの追尾があまり得意ではない。
- 初期のカメラには手ぶれ補正がないため小物の撮影にも三脚が必要。
- またフィルム時代のレンズを使うと近接撮影ができない。
意外と忘れられがちなPCとモニター
一眼レフのカメラには色々な設定ができるので、その場で環境に合わせて明るさなどの調整をすることができる。ただし、やはり写真を撮影していると「ちょっと明るさが足りなかったのであとで調整したい」などと思うことがある。この時に活躍するのがレタッチソフトである。CANONはDigital Photo Professionalを提供している。Macだと現行バージョンはmacOS 12, macOS 11, macOS 10.15, macOS 10.14で動作するそうだ。High Sierraを使っている人はDigital Photo Professional 4.10.40 for Mac OS Xが使える。High Sierraは既にサポートが切れたOSだがネットに接続しなければセキュリティのことはそれほど深刻に考える必要はない。iCloudへの連携はできるのでクラウドへの転送は可能である。この世代のMacは20000円から30000円程度で手に入る。
もう一つ重要なのがモニターだ。色の再現度と階調に気を配りたい。ところが古いMacBookは階調表現が弱く階調が潰れて見えたりする。さらに視野角によって色が変わって見えたり経年劣化で色が黄変したものも見られる。iMacの古いものは排熱が弱く画面が黄変しているものが多い。
普段はいつも使っているPCを使うのが良いのだと思うのだが、カラープルーフ用に一つ良いモニターを持っておくとカメラがどれくらいのポテンシャルを持っているのかということがよくわかるかもしれない。その意味ではMacの場合は型落ちのMacMiniと外付けモニターの組み合わせが最安なのかもしれない。IO DataのLCD-AD192SEDという学校用のモニターを見つけてきた。IPSパネルを使っていて発色も安定している。たまたまだと思うのだが他のモニターに紛れて500円で売られていた。念のためにキャリブレーションしてみたがキャリブレーションはほとんど必要がないくらい安定している。
全てのモニターの色合わせをするのは不可能に近いのだが「これは正しい」というものを1つ持っているとあれこれ悩むことがなくなり便利である。デジタルカメラが「正しい色」を持っているかを判断するのは意外と難しいものなのである。
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