学校支給のタブレットが信頼できないと感じたら お子様向けのノートPCをセットアップする

最近、徳島県がGIGAスクール構想で調達したタブレットの半分以上が壊れたというニュースがあった。知事が激怒しており徳島県は情報教育に詳しい教育長を登用して対応する予定なのだそうだ。だが、「教育情報化コーディネータ1級」というのが「詳しい」の根拠らしくどうも心もとない。先生がITツールの管理に慣れていない学校ではネットいじめが横行しているという話もある。

学校が対応するのを待っているだけはお子さんのIT教育が遅れてしまう。どうしたらいいのだろうか。Googleは古いパソコンを捨てるのはもったいない(エコでない)と考えて既存のパソコンを利用できる新しいOSを提案している。それがChromeOS Flexだ。また学校向けにChrome Education Upgradeと言うプログラムを提案している。このプログラムを導入すると学校のPCを管理者が一括して管理できるようになる。

実は安いPCや使わなくなったPCが再利用できる

もちろん最も良い解決策はお子さんに新しいPCやタブレットを買ってあげることだろうが「さすがにそこまでのお金がない」という保護者の方も多いのではないか?

ここは古いノートパソコンをお子さん向けに転用するやり方を考えてみたい。16GBか32GBのUSBメモリーと使わなくなったノートPCがあれば実現できる。

USBメモリをAmazonで

今回はハードオフで3300円のノートパソコンを買ってきた。ノートパソコンに詳しい人であれば中古で探してきても構わないと思う。Googleは対応パソコンのリストを出しているがINTEL系のCPUであればリスト外のものでもなんとか使える程度の性能のPCが作れる。

実際の手順

やり方は簡単なのだが「BIOS起動」という少し耳慣れない言葉が出てくる。不安な人はちょっと詳しいお友達に聞いてみたほうがいいかもしれない。

まず、最初に保護者のGoogleアカウントを作る。Androidスマホの人であればもう持っているはずだ。次にファミリーリンクのページにいって子供用のアカウントをセットする。このアカウント設定で子供用のアカウントの動作を制限することができるようになる。不慣れな先生にアカウント管理を任せるよりも保護者の方が直接管理したほうがいいだろう。もちろん「アカウントって何?」という人は知り合いに相談したほうがいい。

次にUSBメモリーを買ってくる。Googleの手順通りにインストーラを作る。

Macの場合はインストーラのUSBメモリーを挿した状態でOptionキーを押しながら起動するのだ、Windowsマシーンの場合はBIOSを呼び出してUSBから起動する必要がある。おそらくパソコンのセットアップに慣れていない人はここに難しさを感じるのではないかと思う。実際にはそれほど難しいことではないのだが、やはり全くやったことがない人はちょっと詳しいママ友・パパ友などに聞いたほうがいいのかもしれない。

インストール自体はとても簡単だ。あっさりとブラウザー・レベルでできることはできるようになる。

もちろんデメリットも確認しておこう

「とっても簡単」と言いたいところなのだが、やはりここはデメリットにも触れないわけにはいかない。

まず無料OSなのでサポートがない。Core2DuoのMacBook A1181に入れて使っていたのだがある日のアップデートでエラーが頻発するようになった。グラフィックに不具合が出たようだ。個体の不具合かもしれないし、後に修正されるかもしれないのだが、さすがにメインのパソコンとしては使えないと感じた。

  • ノートパソコンはキーボードを使う。小学校低学年のお子さんは最初はちょっと戸惑うかもしれない。
  • 今のところ最新版のChromeブラウザーが入っているのでブラウザーでできることは全部できる。だが(当たり前のことだが)性能はノートパソコンの性能に比例する。だから最初は使わなくなったPCを使うかハードオフなどで10,000円以下のノートパソコンを買ってきてお試し版を作ったほうがいいかもしれない。今回は3,300円のMacのノートパソコンで試したのだが、さすがに動作はちょっともっさりしている。YouTubeのガイド動画をみた人は「この程度の速さなのか」と感じていただけると思う。
  • またノートパソコンによっては対応する機能に制限がある。

つまり既にスマホを持っていて家でサクサク使っているというような子は不満を感じる可能性がある。スマホはさくさく動く上にスクリーンだけで大抵の操作ができてしまうからだ。

だが見方を変えてみるとこんな考え方もできる。

  • 「寝転がってYouTube」ではなくきちんと机に座ってノートパソコンを使う練習ができる
  • 保護者がきちんと子供のアカウントや使う時間を管理できる

ファミリーリンクの使い方を覚えるのが最も効果的な教育になると言えるのだ。

Googleは「認定モデル」というリストを出しているが、この認定モデルでなくても使えるPCは多い。たとえば今回使ったMacBook A1181というモデルはかなり古いパソコンでありこのリストには入っていない。だが、インストールも最新版へのアップグレードもできる。制限事項は2つある。なぜか内蔵カメラが使えないしトラックパッドも動作が不安定なのでマウスが必要だ。またChrome OS Flexは使えるアプリが制限されている。

だがこのMacbook A1181はもともと教育現場で使うことを想定している。プラスチック(ポリカーボネート製)なので少々扱いが手荒くてもなかなか壊れないし蓋を開けたら自分である程度のメンテナンスができる。メモリやハードディスクを自分でとりかえられるのだ。

もちろん、子供に真新しいパソコンを買ってあげるのがもっともいい対応であることは間違いがない。だが、そこまでの経済的余裕はないしかといって学校に頼るのも考えものだと感じている保護者の方は多いのではないか。

そんな人に「全部を諦めるかそれとも高い買い物をするのか」を迫るのも考えものである。間をとったソリューションがあってもいいのではないかと思う。同じ悩みを抱えている人は意外と多いのではないか。

感想やネガティブなコメント(こんなものは使えない)なども含めてYouTubeにフィードバックをいただけるとありがたい。


Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です