iPhoneのワイヤレス充電と有線充電のメリット・デメリット

悩み始めるときりがないがみんな悩んでいるスマホの充電

中古のiPhoneを使うようになってからしばらく経つのだが正直充電について真面目に考えたことがなく、適当にMacのUSBポートに刺して充電していた。だが、Lightningケーブルを刺しても反応しなくなることが増えたので「少し研究してみるか」と考えたのだが、意外と複雑な世界のようだ。

極めて単純にまとめると……

  • 有線充電のメリットは早くて安定しており満充電もできる
  • ワイヤレス充電のメリットは手軽な点

ということになる。

なお「面倒くさいことを悩みたくない」という人のために別途アダプターとケーブルのセットのページを準備した。

意外と奥が深い世界である。今回はこの結論を得るためにBelkinの製品を購入した。Appleのストアに扱いがあり状況がよくわからない人でも安心だからだ。BelikinはWhy Belkinという記事の中で「iPhoneのために最適化されている」と謳っている。

まず有線充電だがUSB PDという規格が出ている。また近年ではQi2という規格がありワイヤレスでも急速充電化が進んでいる。ところが数年前の製品のワイヤレス充電はそれほど早くない。このため徒に高速充電のものを買っても宝の持ち腐れになる可能性がある。

iPhone SE(2016), iPhone 8, iPhone 5c, iPhone 6s

iPhone SE (第2世代と第3世代)は有線では急速充電に対応しているもののさほど早くはなさそうだ。ワイヤレスに関しては7.5Wの速度制限があるそうだ。つまりワイヤレス充電を選ぶのであればあまり速度については気にしないほうがいいということになる。


「数時間待てば充電できてんだろ」くらいに思っている方が平和だ

まず、いつも中古でiPhoneを買っているので、iPhoneにACアダプター充電器が付いているのかすら知らなかった。色々気にしだすとキリがないので「充電できればいいや」位に思っていたほうが平和だった。

もともと5V x 1Aの充電器が付属していたそうだがある時期から付けるのをやめたようだ。そこで「どんな充電器を使っても大丈夫なのか?」が気になりサポートに電話をした。

最初のサポートスタッフは5V以外は保証できないと言い張っていた。どうやら初心者らしい。話にならないので次のスタッフに聞いたところ「サードパーティー製が多すぎてよくわからない」のだそうだ。このため明確な回答にならずわけのわからない回答になったのだろうという。

急速充電についてまとまったページがなく実権も限定的だ。おそらくAndroidスマホとの競争の中であとづけでAppleも急速充電に対応しましたよと宣伝しだしたのではないか。Appleサポートには「iPhone を高速充電する」という記事がある。ワイヤレス充電に関してはさらに情報が曖昧な上に、中華製の怪しい製品も出回っており電気的に安全が保証されているかは極めて怪しい。

安心したければAppleのデータベースで確認しよう

ただし型番が出てこなくても慌てないこと……

LightningケーブルにはMFi認証マークと言うものが付いているがAppleは充電器やケーブルについてのデータベースを持っている。ここに掲載があれば問題はないということのようだ。ところがこれが意外と曖昧である。

AmazonオススメというUSB/Lightningケーブルを買ったのだがメーカーとしては登録があるもののケーブルの型式で調べても登録がなかった。さらにAmazoのウェブサイトにはMFi認証と書かれてあり確かに警告も出ないのだがパッケージには認証マークがない。

ジャンクのair-Jを手に入れた!

気を取り直し、試しにair-J という会社の充電器をジャンクで買ってきた。価格は330円だった。例のデータベースにはメーカーとしての掲載はあるがモデルナンバーで検索しても出てこない。本来はアダプターと充電器がセットになっているはずだが本体だけが「なきわかれ」になっている。メーカーのサイトを見るとiPhone XR/XS時代の製品のようだ。MFi認証マークはパッケージにもなさそう。

air-J AWJ-PD1

70%程度で充電が止まってしまいこれが本来の充電性能なのかがよくわからない。個々でケースを外すと充電が始まった。5V x 1.5Aのインプットで5V x 1Aの出力ができると必要と書かれているが手持ちのACアダプターは5V x 1Aのものしかない。ちなみにUSB2.0ポートは5V x 0.5A = 2.5Wで、USB3.0ポートは5V x 0.9A = 4.5Wだそうだ。つまりUSB3.0で充電するよりも遅いということになる。

次にBelkinの未開封品を見つけた

ここでそもそもACアダプターと本体がセットになっているものを買うかアダプターを別途買ってくる必要があるという(おそらく当たり前のことを)学んだ。さらにAppleのサポートの人たちの言う事を信用すると最初はきちんと名前が通っている会社のものが良さそうだ。できればApple純正かAppleストアに扱いのあるBelkinのものが良さそうである。あとはAnkerなどもYouTubeのレビューでよく見かける。

今度はジャンクではなく製品コーナーを探したところBelkinの製品を見つけた。1つは15W x 2ポート充電に対応し、もう一つは7.5W充電である。これもiPhone X時代の製品で今から7年前の製品だそうだ。

Belikinのパッケージ
Belkinの非常にあっさりした(何もわからない)ウェブサイト

ところがここで意外な事実を発見した。実はiPhone SE(第2世代と第3世代)はワイヤレスでは7.5W充電にまでしか対応していないのだそうだ。ソースはAnkerの英語ページだった。Appleは有線でどれくらいまで対応しているかの数字は公表していないようで18Wで急速充電を試しましたという情報がある。

となると15Wを購入しても無駄と言うことになるので7.5Wの製品を購入することにした。価格は1,100円と2,750円だった。ちなみにBelikinの製品はパッケージに型番が書いていないのでスペックなどを箱から推測することができない。AppleストアとかAmazonとかとにかくスペックがわかるところから買ってくれということなのだろうなあと思ったがちょっと不親切な気もする。今回買ったものはF7U027という型番がついているがBelkinの日本語ページがなく(製品紹介動画は残っていた)製品登録もできない。またデータベースにも登録がなかった。いちおう保証書はサラの状態だったが1年保障がきちんとついてくるかも不明だ。

現在は汎用品の小さなUSBアダプターが付いているそうだがこの時代のアダプターはかなり大きめでレビューには「とにかくアダプターがでかい」というものが多かったそうだ。また最近はアダプターは別途買ってくださいというものもあるそうなので購入時には注意したほうがいい。

これとは別にジャンクの青箱からApple社製のUSBのACアダプターを探した。5W 10W, 12Wの製品が見つかる。どれも価格は330円だ。ちなみにElecom製の20Wアダプターがジャンクではないセクションで見つかった。こちらは880円。

急いで充電するときには12Wを使ったほうが良さそうだ。途中で止まることもなく順調に充電ができる。ちなみにiPhone SE第1世代の充電もスムーズだった。

Appleの純正アダプターも買ってきた。

ということで「一体何がいいのか」がわからないのでAppleが「大丈夫だよ」と言っているものを選んで買ってきた。

Amazonのレビューなどを見ると3 in 1タイプ(iPhone, Apple Watch, AirPodsがどれも充電できるやつ)が3000円くらいで売られていたりする。おそらくそういう製品を使ってもめったに壊れたりはしないのであろうなあとは思った。

なおとにかく使っている製品がどれも古いのでワイヤレス充電のメリットはあまり感じられなかった。ケーブルや機器がゴチャつくくらいならアダプターの有線充電だけにしたほうがいいなとさえ感じた。

このBelkinの製品を6年前にレビューした人がいて「フル充電まで時間がかかる」という結論に達している。当時の無線充電のメリットは手軽さであって速さではなかったのだろうなあという気がする。

投資としては1100円+330円+330円だったのでこのあたりがわかっただけでもお勉強としては面白かった。


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