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【改訂版】ギガビット・ホームネットワーク構築 MacとMacの間でファイルを高速移動したい

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はじめに

このエントリーはホームネットワークを構築したい人のためにMacとMacの間で高速でデータをやり取りする方法を解説する。「改訂版」になっているのはChatGPTに問い合わせをして最初から設計をやり直したからだ。1000BASE-Tが普及しだしたのは2000年代なので「高速」というと笑う人もいるかも知れないがネットワークに詳しくない人から見れば「一体どうやってつくるのだろう?」ということになる。

  1. 目指す速度は1ギガビット・イーサネット環境。技術としてはこなれている。
  2. ルーターが1階・Macは2階にわかれている。
  3. 通常通りにWi-Fiネットワークを組み192.168.1.1〜のIPアドレスを振る。
  4. マスクは255.255.255.0にする。
  5. これとは別にEthernetでネットワークを組みAirMacExpressなど複数のギガビットイーサのある機器に接続
  6. ブリッジモード(ルーティング機能オフ)にすることで二重ルーターを防ぐ。
  7. Ethernet系のネットワークを192.168.10.2〜192.168.10.224などの別系統にする。高速移動させたいときはこちらを明示的に使う。
  8. そもそもルーターを使わずに独立したLAN環境を組むこともできる。この場合には3000円弱のスイッチングハブを使う。

これだけである。だがここに行き着くまでの道のりが長かった。そもそもルータのLANにMacを直挿しできればそれで解決する問題なのであるがそれができない。知っている人は「そもそもルーターは必要ないのでは?」と思うかもしれない。そこに気がつくまで半年程度の時間がかかってしまった。

やりたかったこと MacからMacの間でファイルを高速移動させたい

Mac mini M2を中古で購入してきた。iMovieなどの起動が早いのだが256GBしかSSDの容量がない。「これは外付けハードディスクを買ってこなければ」と考えた。だがよく考えてみればiMac 2015(1000GB)とiMac 2010(500GB)がある。そしてこれらは十分に使えるのでまだ片付けたくない。これを外付けHDDとして使えないだろうかと思った。

ただしあまりにも高価なソリューションは使えないし複雑な設定も避けたい。

ChatGPTに聞いたところ、いくつかのやり方がある事がわかった。

Thunderbolt Bridgeはケーブルが高い

iMac 2015にはThunderbolt 2ポートが付いている。これをThunderboltブリッジで接続するというやり方がある。しかしMac mini M2はThunderbolt 4を使っている。これをつなぐアダプターがほとんど売られていない。Apple純正のアダプターは7,500円程度の価格とのことである。規格値の最大は20Gbpsとなる。2500MB/sということになる。

Apple Thunderbolt 4(USB-C)- Thunderbolt 2アダプタ ​をAmazonで

Thunderbolt 2同士を接続するケーブルも売っているがこれも7000円程度の価格になる。

Thunderbolt 2データケーブルをAmazonで

Ethernetは仕組みがややこしい

2台のMacを直接Ethernetで接続する

次にEthernet接続というやり方がある。やり方自体は比較的簡単だしEhternetケーブルはそれほど高くない。理論的には1Gbpsが出るはず。理論値は125MB/sになる。

  1. まず両方のネットワークの構成でEthernetを優先する。
  2. 次にどちらかをホストに設定する。192.168.2.1に設定してルーターを192.168.2.1にすればいい。もう一方は192.168.2.2などになる。
  3. 最後にEthernetケーブルを接続する

確かに早くなった。しかしiMac 2015側のインターネットが接続できなくなった。

iMac 2010とも接続してみた。このときは立ち上げの順番を工夫してみた。

  1. Mac mini M2のインターネット共有をオンにする
  2. iMac 2010側のEthernet設定をDNS自動(もしくはIPアドレスだけ固定)にしてMac mini M2にお任せにする。iMac側はEthernetを優先する。
  3. この状態でiMac 2010を再起動する。

いつの話をしているのだといわれそうだがAppleがAppleTalkを廃止してしまったため、現在はすべてTCP/IP接続になっている。このためファイル転送とネット閲覧のルートを分けられない。

これで36GBを転送したところ20分強でファイル転送ができた。理論的には5分で終わることになっている(ChatGTPの計算によるとだが……)がさすがに計算通りにはならない。

ここでiMac 2015側に戻って同じようにやってみたところ6GBファイルを2分で移動させることができた。

Mac to Macの具体的なやり方

なんとなく編み出したやり方はこんな感じになる。

  1. まずどちらをメインにするかを決める。
  2. 次にメインになる側のネットワーク構成の優先順位をWi-Fi→Ehternetにする
  3. EthernetのTCP/IP構成を手動にし192.168.2.1で固定する。
  4. メインの側のインターネット共有を念の為ONにしておく。
  5. サブの側はEthernet→Wi-Fiにする。
  6. DHCPを自動にするか、自動にしたうえでIPアドレスだけは192.168.2.2などで固定する。

ただこのやり方は頻繁にネットワークを切り替えることになる。iMac 2015はそもそもかなり調子を図しておりリスタートを数回やったところで動きが極端に遅くなった。スポットライトのインデックスが破壊されてしまったようで回復に1日かかった。これでは使い物にならない……

なおこのiMac 2015はその後外付けSSD起動に切り替えた。内蔵ディスクをNASのように利用する作戦だ。

Airmac Extremeを仲介に

次にAirmac Extremeを仲介させるというやり方を思いついた。カテゴリー5eかカテゴリー6のケーブルを使うとギガビットイーサに対応した接続ができる。ぜひAmazonでと言いたいところだがダイソーで6Aケーブルが300円で売られていた。

Airmac Extremeのイーサネットはギガビットイーサネットに対応している。しかしUSBが2.0なので450Mbpsとなる。56MB/sを転送できる。実際にやってみたところ36GBが30分で転送できた。

AirMac Extreme

ここで2台のMac(ギガネットイーサネットに対応しているもの)間のデータ転送をすると2GBが1分で転送できた。Airmac Extremeはネットワーク拡張(ルーター機能OFF)になっているが有線LANポートどうしでスイッチングしてくれるらしい。

だが罠があった。

ケーブルの抜き差しを繰り返しているとAirmac Extremeの設定が飛んだ

Appleのネットワーク製品は意外と性能が良くない。おそらく彼らが撤退してしまったのはそのためだと思う。結局Ethernetに直接接続して設定をやり直すことになった。たまにしかやらないのでどうやっていいか焦ってしまう。

Airmac Extremeを使うなら常設ネットワークにしよう

もし、宅内ネットワークを使うならばできるだけ線の抜き差しをしないほうがいい。今回の事例であれば3台まで有線接続できるので、サーバー1(iMac 2015)とサーバー2(iMac 2010)とファイルをやり取りするといった使い方ができる。

Airmac Extremeをコアにして3台のMacのネットワークを組んだ

Timemachineサーバーも構築できる

この設定でTimemachineサーバーを作ることができる。High SierraまではSMB以外のプロトコルを使うことがあった場合は明示的にSMBを指定してやらないといけなかった。AFP(Apple Filing Protocol)はTimemachineサーバーが作れなかったのだ。

Montereyの場合、保存先のMacで共有フォルダーを作るときにTime Machine用の設定を行っておく必要がある。ギガビット・イーサネット経由の初回作成時間は35GBでおよそ20分といったところだった。

  • Controlキーを押しながらフォルダの名前をクリックし、「詳細オプション」を選択します。
  • 「共有方法」ポップアップメニューをクリックし(利用可能な場合)、「SMB」を選択します。
  • 「Time Machineバックアップ先として共有」を選択します。

iMovieはネットワークドライブからは起動できない

唯一計算外だったのはiMovieはネットワークドライブに置かれたライブラリを起動することはできないという点だ。もし内蔵SSDを節約したいならローカルでUSBディスクを準備したほうがよさそう。

次に浮上したWi-Fi接続なのかEthernet接続なのかよくわからない問題

Wi-FiとEthernetを両方接続してEthernetを優先すると早くなるはずなのだがそんなに都合よく切り替わってはくれず速度が遅いままということがある。一応ネットワークの優先順位を規定することができるのだがそうそう上手くゆかないのだ。素早く転送できるときもあればできないときもある。

一旦プロジェクトは打ち切り

結局、この時点で一旦プロジェクトを打ち切ることにした。このときの結論はこうなっている。外付けのHDDのほうがいいですよと……

もし常に転送が発生するならばおそらくAirmac Extremeやそれ以外のスィッチング機能を持ったネットワーク機器をイーサネットケーブルで接続して設定をあまりいじらないのがいいのかもしれない。高速のファイル転送が必要になった時にはWi-Fiを切断すると高速でファイルがやりとりできる。

ただ常時大きなファイルをやりとりするのでもなければ素直に外付けのHDDを購入して使うのが最も確実。ChatGPTの主張する欠点は「HHDやSSD代金」だそうだ。

仕切り直し

このエントリーを最初に作ったのは2025年2月25日だった。その後Wi-Fiを使わずにEthernetだけでAirmac Extremeに接続しそこからインターネットに出ていた。

ところがある日iMac 2015(すでにSSDから起動することにしていたため実用的に使えている)がネットにつながらなくなった。Airmacユーティリティを見るとどうやら接続順が(何らかの理由で)混乱しているようだ。そこで仕切り直しを余儀なくされた。

GEMINIにトラブルシューティングを相談するもラチがあかず

そこでGEMINIにルーターなどの設定画面を見せたのだがどうもラチが明かない。最初から設計してやらないとダメなようだ。

ChatGPTに図表を書いて渡し「高速通信がしたいです」と要望を出してみた。問題は1階と2階に別れていてルーターに直接Macを挿せないことだったのでこれを理解してもらわないといけなかったのだ。

ルーターとMacの間に接続機器が増えるとルーターがMACアドレスを識別できなくなり固定IPアドレスを振ってくれなくなるのである。Macの中にはWebサーバー・Timemachineサーバーとして運用しているものがあるので固定アドレスがないと困る。

GEMINIはこの理解に苦労していた。

ChatGPTの設計は次の通り

ということでChatGTPにアドバイスしてもらった接続方法は次の通り。要するにサブネットマスクで系統を分離したネットワークを作る。

  1. Wi-Fiでインターネットの通路を確保する。サブネットマスクを255.255.255.0に設定した上で192.168.1.2〜192.168.1.224までの間のIPアドレスを振る。固定でもいいしルータに振ってもらってもいい。今回は管理の都合で固定にした。
  2. ファイル交換のためにEthernetで別のネットワークを作る。サブネットマスクを255.255.255.0に設定した上で、192.168.10.2〜192.168.10.224までの間のIPアドレスを振る。固定でもいいしルータに振ってもらってもいい。今回は管理の都合で固定にした。
  3. Timemachineサーバーやファイルサーバーは192.168.10.2〜192.168.10.224で指定する。ちなみにこれまではimac2015.localのような形式だったがIPアドレスでサーバーを指定し直した。これでTimemachineファイルを最初から作り直すのか……と思ったのだがアーカイブは引き継ぐことができた。
  4. ルーティングは192.168.1.1に任せてもいいしAirMac Extremeで独立したネットワークを作ってもいい気がするのだがAirMac ExtremeのWANポートからインターネットへの出口を作ってやらないと機能しなくなる。AirMac Extremeは2階にあるためこれができない。そこでネットワーク拡張を選びルーティング機能だけは1階にある192.168.1.1に任せる設定にした。

スイッチングハブを使った代替プランも

ChatGPTは安価なスィッチを使った代替プランも出してくれた。Ethenet側をMacで固定IPにして(ルーティング機能がないため)使用するのだそうだ。リンクしたものはAmazonで取り扱いがあるようだ。

ここでふと思ったことがある。ハードオフで売られているあの奇妙な(何に使われるのかがさっぱりわからない)箱の使い方がようやくわかったのである。110円で売られている商品が2つあったので迷わず買ってきた。電源は内蔵されているので単にメガネケーブルにつないでEthernetケーブルを刺す。IPアドレスなどは割り振ってくれないのでMacで適宜設定する。サブネットマスクで分けた上で独立したネットワーク体系にするのが管理上はラクである。

受信側でこのようなコマンドをうち

nc -l 5001 > /dev/null

送信側でこのようなコマンドを打つとネットワークの速度を計測してくれるそうである。

dd if=/dev/zero bs=1m count=1024 | nc 192.168.10.xxx 5001

結果は次の通りだった。ケーブルの規格などによっても違いは出てくるのかもしれないがだいたい理論値の半分程度の値で安定している。

  • Airmac Extreme
    1073741824 bytes transferred in 18.004424 secs (59637666 bytes/sec)
  • Logitec LAN-GSW08P/HGW
    1073741824 bytes transferred in 17.559550 secs (61148596 bytes/sec)
  • Buffalo LSW4-GT-8NS/BK
    1073741824 bytes transferred in 17.989886 secs (59685860 bytes/sec)

ちなみにWi-Fiで送信すると送り出し174MB/s・受信130MB/sで次のような結果だった。ギガビットイーサは理論値125MB/sなのだが有線を使ったほうが効率よく情報を通信できることがわかる。特に2階から1階のルーターを通じて通信をしているという不効率さがあるのだろう。

  • 1073741824 bytes transferred in 265.768929 secs (4040133 bytes/sec)

この手のことはオタクな友達でもいないと勉強できない。ChatGPTなどのAIに質問できるとは便利な時代になったものだ。なおLogitechのほうが製品としては新しいそうで日本製の部品を使い50℃(工場などで使うことを想定している)まで耐えるという意味で優れた製品なのだそうだ。確かに工場などでネットワークが止まると生産性に大きな違いが出るもんなあと感じた。

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