MacBook A1181とMacBook A1278の液晶画面について

最近、中華製モバイルモニターを買った。色再現性に問題があり色を扱うプロには向かないという論評が多いが「あれ、そうなのかな?」と思うことがある。古くからのMacBookの使用に慣れており「PROモデル」でもそれ以下のモニターが使われていたからだ。

そもそもMacBook A1181とA1278の液晶画面ってどんな感じだったっけ?と考えて改めて試してみた。具体的には2006年ごろから2012年までに作られたMacBookになる。

当時のMacBookの液晶パネルはTFT LCD(TN方式)が使われていた。バックライトはCCFLだった。A1181は学校などで多く導入された普及版モデルであった。TNパネルを利用しているためそもそも視野角は広くない。ところが問題はバックライトにあった。経年劣化を起こすと黄ばんでくる。このため色を扱う作業には使えなくなる。

この液晶パネルは2009年以降はLEDに入れ替わっている。ChatGPTはLate2009からがLEDだと言っているがこのEarly2009モデルも液晶が黄ばんでいないため「もしかするとLEDかもしれない」などと思う。視野角は上下左右から見ると特に白域の再現性が弱いと感じた。

ただし、色の再現性は割と保持されている印象で画像処理などの仕事に使えないことはないという気がする。

こうしたモニターに慣れているので中華製激安モバイルモニターを見ても「かなり良くなったじゃないか」という印象になってしまうのだ。

例えばテレビ放送はもともとブラウン管だったために「そこそこの色再現性があればそれなりに見える」コンテンツ作りが行われている。このため黄ばんだ液晶パネルであってもそれなりに調整することができる。しかしMacBook A1181はグラフィック処理には使えないと考えた方がいい。

一方のA1278はMacBookの正面に座ればそれなりの色再現性がありグラフィック処理に使えないことはないという印象になる。

ただし、中華製モバイルモニター(KogodaのK3というモニターだが同じ製品の名前だけ変えたものが多数出回っているようだ)にも問題がないわけではない。iPhoneでマクドナルドのパイを撮影した。これはほんのり赤みがかかっている。ところが中華製モバイルモニターで見るとこれがきちんと見えない。単に茶色に見えてしまうのだ。Mac mini M2はHDRに対応しているので設定を調整したところやや赤みの印象が改善した。

こうした微妙な赤みは肌の色に大きな影響を与える。ヒトの目は肌の色を敏感に評価する上に、色味が悪いと「キレイに撮ってくれなかった」とクレームの元になることもあると聞く。つまり、ポートレート写真を撮影するようなひとにとってはこれはかなり死活問題である。

ちなみにこのパイは「あんことおもちのいちご大福パイ」という名前。広告用の写真はおそらくかなり赤を上げているが色調整なしだとこんな感じになる。写真はiPhone SE(第二世代)で撮影したもの。

頑張ってパイの赤みを足してみたがこれでもマクドナルドの「お手本」に近づけるためにはもっと「きれいな」桜色にしなければならないだろう。

さらによくみると影のグラデーションが諧調化している。そもそも動画化されているのでファイルサイズを節約しつつ「それなりに」きれいに見せるために色々な処理が行われてしまっているのだ。

だからiPhoneや家庭用カメラで撮影した程度の映像作品であれば「それほど画質にこだわらなくてもいいのでないか」という結論が得られる。

一方で今回サンプルに使ったようなビビッドな色づかいは意外と誤魔化しがきく。特に部屋の明かりを明るくして明度を上げると「映える」写真が作れるし、後から加工することも難しくない。

これならおそらく「赤がきちんと出ていない」などとクレームをもらうことはないだろう。


Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です