Amazonの隠れたエアコンベストセラーとは
このエントリーはAmazonの隠れたエアコンのベストセラーを紹介する。それがウィンドエアコンである。特に日本製のコロナのエアコンが売れている。一般に力不足という印象のあるウィンド・エアコンがなぜ売れ筋なのか。
コロナのウインド・エアコンRelalaシリーズをAmazonで
Amazonでエアコンを探すと過去モデルなどが豊富に選べる。例えばこれを書いている時点で家電量販店で10万円程度の8畳用エアコンがこんな感じの価格だった。最もよく売れているのは46,000円である。
日立 HITACHI エアコン 白くまくん AJシリーズ スターホワイト 主に6畳用 RAS-AJ22R(W)(46,800円)
アイリスオーヤマ エアコン 6畳 2.2kW いたわりエコ 省エネ おやすみモード 除湿モード 入切タイマー 上下左右自動ルーバー 内部清浄機能 商品のみ 2025年モデル(44,550円)
取付工事費込みというモデルもあるがこれも家電量販店よりも価格的には優位だ。
だが、しかし……なのだ。
目次
原因は「内規」にある
法律ではなく「内規」で決まっている、専用コンセント問題
最近のマンションや賃貸物件は密閉度が高いためエアコンがなければ生活ができなくなっている。このためエアコン用に専用のコンセントが設置されているのが普通だ。

ところが古い家はエアコンが前提になっていないために電気工事が必要になる。この工事を頼むと分電盤(いわゆるブレーカー)から専用の電気線を引く必要があると言われることがある。エアコンに空きがなければそもそも工事すらできない。さらに昔の建物は壁に石綿が使われているため壁に穴を開けようとすると特別料金を取られる。これは2006年8月31以前に立てられた家で2023年10月1日から決まった。このように工事の値段がなし崩し的に上がっていってしまうのだ。
昔の古いエアコンが付いている部屋も油断できない。昔のエアコンは部屋に備え付けの汎用電源から電気を取ることができた。今でもこれで大丈夫なはずだが、最近のエアコンはわざと電気ケーブルを短くして専用コンセントがなければ設置ができないようにしているそうだ。

ではなぜこうなったのか。実は人によって言うことがバラバラだ。今回話を聞いただけで2通りの説が出た。経済産業省は法律ではなく内規と書いている。
- 家電量販店の電話担当者:阪神・淡路大震災で火災が多くおきたが、その多くがエアコンの電源だった。
- パナソニックから派遣されている販売員:お客様の承諾を取って一般コンセントから配線をしたが火災になり裁判に負けた。
- ジャパネットたかたのオペレータ:私は理由は知らないがとにかく受けられない。
「なぜ、前のエアコンは設置できたのに今のエアコンはダメなのか?」というお客さんが納得しやすいような説が家電量販店の店員の間に流通しているのだろう。設置工事を自分でやるわけに行かないので「自己責任」で取り付けるわけには行かないところだ。いつからこうなったのかについても人によって行っていることはバラバラなのだが「とにかくできない」という見解は一緒。
ウィンド・エアコンは自分で設置ができる
それでも冷房が欲しい人にはウインド・エアコンという選択肢がある。壁掛け型エアコンに比べて価格が抑えられているため家電量販店でもコーナーの隅の方にこっそりと展示されている。コロナ・コイズミ・ハイアール・トヨトミなどがある。
ここでは「国産」を謳っているコロナについて取り扱う。
コロナのウインドエアコンRelalaシリーズをAmazonで

Amazonで売られているモデルは「ホームセンター・一般」用
Amazonで売られているモデルは「ホームセンター・一般用」だ。家電量販店モデルには空気清浄機能(マイナスイオン発生装置)が付いているもの(FAシリーズ)と付いていないもの(Aシリーズ)がある。Amazonで購入する場合は「ホームセンター・一般用」となり「10年交換不要フィルター」が選べない。
カタログによると空気清浄機能は「タバコの煙もきれいに排出します」という打ち出しになっていたので、特にそういう物が必要がないという人はAmazonで買うのも良いかもしれない。家電量販店で見たところ空気清浄機(換気)機能付きとなしの差額は10,000円だった。またAmazonの価格と家電量販店の価格差は5,000円である。
タイプ | 空気清浄機能 | 10年交換不要フィルタ |
---|---|---|
家電量販店向けモデルA | ◯ | ◯ |
家電量販店向けモデルB | ✘ | ◯ |
ホームセンター・一般 | ✘ | ✘ |
なお、ウインドエアコンは70cm-140cm程度の窓に設置することができるように設計されており、基本的には工事が必要ない。メーカーは1人で作業できるとしている。
ウィンド・エアコンは自分で設置ができる
メーカーはタコ足配線と安易な延長コードを禁止事項にしているだけなのだが、家電量販店に頼むと「やっぱり分電盤から直接取らなければだめだ」とか「アースがないと応じられない」などと言ってくる。結果的に自分で設置することにした。設置時間は30分程度だった。
設置自体は直感的にわかるが設置が終わったら答え合わせの意味も込めてメーカーの設置ビデオを見るほうがいいかもしれない。窓の右側につけるときと左側につけるときにパッキンの場所が変わる。
個人的にも「ウインドエアコンはちゃんと機能しないんじゃないのか?」と言う気持ちがあったが、レビューを見る限り「思ったより騒音が少なくちゃんと冷える」というものが多かった。
付ける前の最大の疑問は窓サッシが外に側にしか使えないのではないかというものだった。設置枠が窓とぶつかってしまうのではないかと思ったのだ。実際につけてみるとそれは杞憂だった。ただし専用コードはかなり短いのでコンセント直下でないと届かない。
ウインド・エアコンのデメリット
ウインドエアコンにはいくつかデメリットがあるとされる。
- 在宅時に冷えておいたほうがいい人は窓を開け放して外出する必要があり補助鍵などをつけないとセキュリティ的に不安。
- 雨が強いと本体が濡れるために使えない。
- 静音性は増しているとはいえ(昔よりは格段に静かになっているそうだが)やはり壁掛け式よりは音が気になる。
- 窓が少ない部屋で窓が塞がれると暗くなる。
- 室内に出っ張りができるため存在感が気になるという人はいる。
確かに部屋全体は冷えないが
実際に設置してみると確かに部屋全体を冷やすほどの実力はない。やはりエアコンの近くに座る必要がある。気温は余り下がらないのだが湿度が下がるので快適さは増す。1〜2時間回しておくと湿度が下がるので快適さは増す。
部屋にエアコンが作れないと諦めるのならば、ウィンド・エアコンの設置を検討してみるのもいいかもしれない。
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