目次
- はじめに
- MacBook / MacBook Pro A1278とは
- A1278でできること
- A1278でできないこと
- すべてのMacBookを最新にすべきなのか
- 具体的な作業
- OpenCore Legacy Patcher
- 導入のコツ
- そもそも、A1278はいくら位で手に入るのか?
- 実は高くないMac
はじめに
MacもWindowsも計画的陳腐化を行っており新しいOSでなければ使い続けられないことになっている。Windowsはハードウェアの制限があり古い機種でWindows11を使い続けることはできないが、Macはそうではない。Intel製のMacにはOpenCoreと言う仕組みがあり最新OS(Ventura, Sonoma, Sequoia)をインストールする事が可能である。
MacBook/MacBook Pro A1278とは
今回使用するのは2008年に作られたUnibodyのMacBookを含む2009年から2012年までに作られたMacBook Pro Unibodyモデルを使う。13.3インチUnibodyはA1278と呼ばれる。
ユーザーによるアップグレードが可能だったモデルでもある。
今回試したモデルは次の通りだ。
- MacBook Late 2008(Core 2 Duo)
- MacBook Pro Mid 2009(Core 2 Duo)
- MacBook Pro Mid 2010(Core 2 Duo)
- MacBook Pro Late 2011(Core i5)
メモリは4GB程度あれば良く、好みで8GBに増設してもいい。CPUについてはCore 2 DuoとCore i5モデルがある。当時としてはかなりスピードに差があると言われたものだが現在ではそれほど大きな違いは感じられない。
A1278でできること

結論を先に書くと、Google Chromeを使った作業やNumbersやPagesを使った軽作業は可能である。一方でGaragebandやiMoviesなどは試す気にならなかった。Mac mini M2などが格安で売られている。iCloudは普通に使えるので写真の連携などは問題が出ない。
このうちLate2008とLate 2011にSonomaをインストールした。SequoiaよりもOpenCore Legacy Patcherのバグ取りが進んでおり安定した印象である。両者のCPUスコアには違いがある事になっているが違いは余り感じられなかった。メモリは最低4GBあればなんとかなる。ただメモリ自体は2000円も出せば手に入る。
Late 2011(Core i5モデル)はPC3-10600が使える。今回使ったのはRASALASという聞いたことがないメーカーのもの。
一方それ以前はPC3-8500を使ったほうが安心だ。MacBook Late 2008をSonomaで起動した。6GBのPC3-10600が2枚(4GB+2GB)入っている。起動はするし動作もするのだがChromeでYouTubeを見ているとエラー11が頻発するようになった。またMacBook Pro Mid 2011をHigh Sierraで使った所そもそも起動しなくなった。結局どちらも2GB x 2のPC3-8500を刺して使うことにした。
HDDかSSDかの違いは重要なようである。ただ中華製の格安SSDが多く出回っており特に高価なものが必要というわけではない。
A1278でできないこと
METAL対応されていないためステージマネージャーなど一部の機能が使えない。またGoogleの認証でiPhoneを使った連携がうまくゆかないというトラブルがあった。
また、MacBook Pro Late 2011で試したところAirdropが使えなかった。BluetoothがBLEでなければならないそうだ。
あとどういうわけかマップアプリが使えない。
すべてのMacBookを最新にすべきなのか
ではなぜ、全てのモデルを最新(に近い)OSにしなかったのか。
理由は2つある。
ブログの写真などを加工するために古いOSで動くグラフィックソフトを使っている。このため古いOSを動態保存する必要がある。これまではA1181と呼ばれる2006年から2009年までのモデルを使ってきたが蛍光灯バックライトであり色の再現率が落ちてきた。
もう1つはハードオフで買ったプリンターだ。最新のOSはドライバーが対応していない。LeopardからYosemiteまで対応している。

OpenCore Legacy Patcherは起動してから使えるようになるまで数分の時間がかかる場合がある。特に最新OSを使いたいという要望がない場合には(例えばHigh SierraでもWebサイトの閲覧自体はそんなに問題が出ない)そのままでいいやと思う人が出てくるだろう。
Mac miniやiMacを使うことも考えたが専用スペースを取るため「たまに使う」程度であればMacBookのほうが好ましい。
具体的な作業
OpenCore Legacy Patcher
では具体的にどのような手順を取ればいいのか。

まず、OpenCore Legacy Patcherをダウンロードする。今回はHigh Sierraで作業を行った。つまり、High Sierraなど比較的最近のOSを搭載したMacが必要になる。ただしそもそも対象になるモデルがEl Capitan以降の対応のみなので対象になるMacを最新OSにアップグレードできていればこれはクリアできる。
次に2010年までに作られたモデルの中にはUSB1.1にしか対応していないものがある。この場合はUSB 2.0対応のハブが必要になる。OpenCore Legacy Patcherのインストーラーを導入した時点で「キーボードがない」と言われてしまう。
さらにインストーラーを作るためにUSBメモリ(16GB以上)が必要。2.0対応の遅いものでもインストール自体は可能。これだと600円程度で入手可能だ。
最後にSSD化が必須になる。SSD自体は2000円もあれば入手可能だ。
導入のコツ
インストールの仕方自体はネットに様々な解説が出ているのであえて解説しないが、何回もやってみるうちにいくつかコツがあることがわかった。
- 失敗することがあるのでオリジナルのHDDやSSDは潰さずに取っておいたほうがいい
- 一度ブート領域が作られたところに別のブート領域を作ろうとして失敗することがあるようなのでやり直す場合にはフォーマットしてからクリーンインストールしたほうがいい。つまり環境を作り込むようなことはしないほうが良く、iCloudからすべてのドキュメントを導入し直すくらいのつもりでいたほうが良いようだ。
- 日本語入力が極めて遅くなることがありGoogle日本語入力の導入が欠かせない。しかしアップグレードするときにこれがじゃまになることがあるようだ。
そもそも、A1278はいくら位で手に入るのか?
そもそもA1278はいくら位で手に入るのか。
MacBook Late 2008は1円で手に入れた。入手したのはヤフオクだった。裏蓋を別途800円程度で購入し、中華製のSSDを128GB1500円程度で導入し、ハードオフで660円のメモリ(全部で4GB)を買った。ただしカメラとBluetoothモジュールが抜かれておりベゼルがない状態だった。これは現在実験的にSonoma機になっている。ラッチで裏蓋を開けるとHDDが入れ替えられるようになっておりOSの入れ替えも簡単だ。PC3-10600ではGoogle ChromeのYouTube閲覧が安定動作しないのでPC3-8500で抑えておいたほうが無難なようだ。
次にMacBook Pro Late 2009を3300円で購入した。メモリが入っていないだけだったが「通電しません」との触れ込みだった。入手したのはハードオフだった。これはHDDを1000円程度で入手し、ハードオフの660円でPC3-8500メモリを4GBぶん(2GB x 2)導入した。バッテリーも備わっておりグラフィック専用機として稼働している。その気になればテレビチューナー(外付け)をつけてテレビ録画機として利用することも可能だ。
次に902円でMacBook Pro Mid Late 2011を手に入れた。これもヤフオクで手に入れた。おそらく修理失敗品でカメラケーブルがコネクタごと引きちぎられている。Wi-Fi・Bluetoothケーブルもなかったので別途800円程度で手に入れた。2GB x 2のPC3-8500メモリが660円で256GBのSSDがで2000円といったところ。

最後にMacBook Pro Mid 2010をハードオフで見つけた。価格は2200円。手持ちの余ったメモリと余ったHDDを入れてHigh Sierraにした。ほしかったのはバッテリーだけだったのだが(ACアダプターなしで電源をいれるとビープ音がなるのでメモリが入っていないだけでバッテリー稼働できることがわかった)動かしてみると全て(SDカードリーダーやDVDドライブも含めて)完全に動いた。純正バッテリーが120回程度しか充電されていないので殆ど使われないうちに売りに出されたのかもしれない。
これは最初2GBで運用していた。しかしこれはやや無謀だった。4GBにすると実用レベルになる。ただしPC3-10600のメモリを導入すると起動しなくなった。

実は高くないMac
このように5000円も出せばそこそこ動くMacBookが手に入ることになり、そこに限定的ながら最新に近いOSが導入できることになる。Macは高いと思っている人には意外に思えるのではないか。
Windows機の場合はWindows10やWindows11のライセンスを別途取得する必要があるのだが、実はMacOSはハードウエアがライセンスの基礎になっている。このためOSを流入するコストが実質的にかからない。
ただしこれはIntel Macに限った話だ。Appleシリコン系のMacにはこうした裏技はないため、今後この手法は使いにくくなるものと考えられる。
コメントを残す