Sony, Yamaha, Denon あなたにピッタリのサウンドバーはどのメーカー?



テレビが薄型になり内蔵スピーカーでは物足りないと言う人が増えてきた。そこでサウンドバーを導入したいのだがメーカーが多すぎてよくわからないと言う人も多いだろう。そこで、Sony・Yamaha・Denonの国内メーカー各社のサウンドバーを実際に購入して試してみた。


–目次–


SONY

メリット:手軽に立体音響っぽさを楽しみたいならSONY

デメリット:本格的な立体音響を楽しむためにはそれなりの投資が必要

HT-CT380という2015年発売のサウンドバーを使っている。サブウーファー分離タイプでハードオフで4400円だった。

SONY HT-C380

iMacに接続してこれがメイン機になっている。iMacから出てくる音は2.1chなのだがこれをきれいに「塩梅よく」広げてくれるからだ。秘密はS-Force Front Surroundと呼ばれる独自のサラウンド技術にある。反射音などを計算してフロントのスピーカーだけで作り出しているのだ。スピーカーが斜めについておりちょうど画面があるところで音が聞こえるように工夫されている。

テレビ(2.1chサウンド)メインと言う人はバーチャルサラウンドを「適当にそれらしく」処理してくれたほうがありがたいと感じるだろう。

今回はAmazonの売れ筋サウンドバーを紹介するのだがSONY HT-S100Fがランクインしている。テレビの音を擬似サラウンド化するのに特化した製品。PHILE WEBの評価は「テレビに“ちょい足し”で音質向上。シンプルで「ちょうど良い」サウンドバー」だ。ちょうど良いと言う言葉はSONYのサウンドバーの特徴をよく表していると言える。

SONY HT-S100FをAmazonで

SONYの製品はBRAVIAに合わせた上位機種が豊富に出ているのだが値段はかなり高価である。

なお、HT-CT380でYouTubeのJohn Williamsのスーパーマンのテーマとレーダーズのテーマを聞いたところ「あれ、たいしたことないなあ」と思った。クラッシック音楽を聞く場合にはちょっと実力不足ということになり、映画やテレビに特化した製品と言えるかもしれない。このあたりは比較してみないとわからないなあと感じた。

SONYは人工的な音に強くDENONは素直な音源に向いているという印象になった。例えば、SF映画音楽、ポピュラーミュージック、ゲームなどの音が得意なのではないかと思う。SONYは有線5.1chから実に様々な映画館の音響データを持っておりサウンドフィールドとして実装してるシステムがあった。シネマサウンドもケリーグラントシアター(通常の映画)やキム・ノヴァク・シアター(SF)の音響特性を再現しているシステムが1990年代に用いられていた。

YAMAHA

メリット:音声プリセットが豊富なYAMAHA、音楽を忠実に再現

デメリット:本格的な立体音響を楽しむためにはそれなりの投資が必要。テレビを気軽に楽しみたい人はやや面倒に感じるかも……

YAMAHAのサウンドバーは以前YAS-101を持っていたのだがHDMI端子がついていないので売ってしまった。多分まだハードオフに飾られている。

YAMAHA YAS-101

今回ビビリ音が入っているという理由でジャンク扱いだったYAS-108を買ってきた。3Dにするとたしかにビビリ音が入る。今この記事を書きながらABCニュースとホルストの「惑星」をYouTubeで見ている。

YAMAHAは吹奏楽の楽器やピアノなどを作っておりクラッシックなどの再現性は見事といえる。音楽ファンは迷わずYAMAHAと言う人も多いのではないか。

まず、3Dサラウンドにせず2チャンネルにして再生すると非常に満足できる音が再現できる。この他の音楽(B’z、ヴァン・ヘイレン、吹奏楽)などもスマホから流してみたがどれも見事としかいいようがない。

だが3Dサラウンド・サラウンドはというと「おや?」と感じるところもある。ビビリ音(ステレオでは入らないのでおそらくサラウンド化するスピーカーに問題があるようだ)はおそらくジャンクだからなのだろうが、ABCニュースが一瞬「お風呂に入ったような」音になった。3Dサラウンドで「映画」や「音楽」などを選んだせい。また細かい音声の設定はリモコンではなくスマホアプリ経由になる。プリセットが豊富な分だけ間違えると場違いな音になってしまうのだ。

なお、YAS-108は垂直置きと水平置きができるのだが垂直置きにするとビビリ音が軽減し、そっと水平置きに戻してもビビらなかった。実に不思議なジャンクである。ビビリ音がなおった状態で小さな音から徐々に音が大きくなるラベルのボレロを聞いた。

YAMAHA YAS-108

リモコンは割り切った作りになっていてアプリで音場を切り替えることになっている。つまり変な設定で使うといちいちアプリを立ち上げて切り替える必要があるということになる。ユーザーに合わせて豊富な選択肢を用意しているがゆえにちょっと面倒といえるかもしれない。

リモコンとアプリ

売れ筋入りしているには長さ60cmと小型のSR-C20AとSR-C30Aだ。どちらも2Dサラウンド対応。サブウーファーが別途付いているか付いていないかの違い。

Yamaha SR-C20AをAmazonで

Yamaha SR-C30AをAmazonで

また3Dサラウンド対応はSR-B20A(こちらはランク外)になる。SONYは独自技術(S-Force Front Surround)を使って立体っぽい音声を作り出しているのだが、YamahaはDTS Virtual:Xと呼ばれるDTSの技術を使っている。この技術は今回買ったYAS-108にも使われていてカタログ掲載機種はYAS-109になる。Alexaがついている。

DTS Virtual:Xはわかりやすく言えばテレビ画面から音が出ているように3Dっぽさを演出する機能と考えたほうがいい。「オブジェクトベースの音が飛び交う」Dolby AtmosやDTS:Xとは本質的に異なる。YAS-108で3Dサラウンドボタンを押すとたしかに音が立ち上がるような感覚があるがDolby Atmosのような粒立ちがあるわけではない。

Yamaha SR-B20AをAmazonで

Yamaha YAS-109をAmazonで

今回4400円も出してビビった音がするサウンドバーを買ってきても後悔しなかったのは実はすでにサラウンドシステムを持っているからだ。それがYHT-S351である。

こちらは3.1ch(L/C/R+サブウーファー)のセットで別途リアスピーカーを接続すれば本物の5.1chのサウンドセットが作れる。これをブルーレイレコーダー・FireTV Stick、Mac miniに接続し(HDMIポートが3つあるのだ)部屋の四隅にスピーカーを設置している。映画からテレビまでこのセットで概ね満足な音を再現できる。

YHT-S351のセンターユニットSR-301

YAMAHAはかつて廉価版のホームシアターシステム(この他にデスクトップホームシアターシステムを作っていたことがあり、今でもハードオフなどで見かける)を発売していたが、今は絶版となってしまった。このため本格的なホームシアターシステムを組もうと思うとそれなりの機器を揃える必要がある。

SONYはテレビとの組み合わせを重視しているが、こちらはオーディオ機器マニアに向けた凝った物が多い。自分の好きな音(クラッシックなのかロックなのか)を知っているオーディオマニアに向けた製品群が豊富に準備されている。

さらにこれとは別にサウンドプロジェクターと呼ばれる一連のセットがある。サウンドバーが一般化するまでYamahaはフロントに多くのスピーカーを搭載し無理やりフロントサウンドシステムを作ろうとしたことがあるのである。

YAMAHA Sound Projector YSP-600

DENON

メリット:立体音響Dolby Atmosをサウンドデザインどおりに再現

デメリット:バーチャルならではの物足りなさも……

さて、SONYもYamahaも本格的に高さ情報の入った3Dサラウンドを楽しみたい場合にはお金を払ってくださいと言うシステム構成になっている。最近はAmazonプイライムやNETFLIXなどの4KプランでDolby Atmosコンテンツが楽しめる。またAppleTV+のオリジナル作品やApple MusicもDolby Atmosに対応していてコチラは4Kプランでなくても楽しむことができる。

DHT-S217がDolby Atmosを受信した様子

これを気軽に楽しみたいという人はDolby Atmosに対応したDENON DHT-S217とDHT-S218が最も手軽な選択肢となる。Amazonの売れ筋にはDENON DHT-C210KがカタログされているがこれがどうやらDENON DHT-S217のAmazon向けの型番のようだ。専用のレビューがほとんどない。音質はDHT-S218でかなり向上しているようである。PhileWebによると手軽な価格で高い品質を実現していると評価されている。

DENON C210KをAmazonで

DENON DHT-S218をAmazonで

DHT-S217でTVerのドラマ(ステレオ)を見ると「いい塩梅」でセリフを強調しBGM主体のときには包まれる感覚を演出してくれる。また映画でも同様の効果が得られる。しかしリアルサラウンドのように後ろから音が来るような感覚は得られない。

なお、HT-CT380でYouTubeのJohn Williamsのスーパーマンのテーマとレーダーズのテーマを聞いたところ「あれ、たいしたことないなあ」と思った。そこでDENON DHT-S217で聞き直してみた。まず3Dサラウンドで聞き次にPUREオーディオ(立体処理をしない原音)で聞いてみた。すると音が段違いなのだ。YamahaのYAS-108も割といい音でクラッシック音楽を再生してくれるので、音楽メインのユーザーはYamahaかDENONを選択肢として検討すべきかもしれない。

SONYは人工的な音に強くDENONは素直な音源に向いている。

ちなみにDolby Atmosに対応しているAmazonの売れ筋は案外少ない。一つはAmazon FireTVとの連携を重視しDolby AtmosとDTS:Xの両方に対応したAmazon FireTV Soundbar Plusだ。おそらくこれがDENONのDHT-S218のライバルになるのではないかと思う。DTS:X対応は魅力的だが長さが94.2cmと微妙に長い。

Amazon Fire TV Soundbar PlusをAmazonで

もう一つはJBL CINEMA SB580だった。こちらも95cmということで国内メーカーよりやや長め。これはバーチャルだそうだが、セパレートタイプのリアスピーカーを備えたJBL BAR800という機種が売られている。唯一Amazonの売れ筋にランクインしているので「リアルサラウンド」の最安値機種とみなされているのであろう。

JBL CINEMA SB580をAmazonで

JBL BAR 800をAmazonで

ここで「リアルサラウンド」か「バーチャルサラウンド」かで迷う人もいるだろう。ハードオフ中古などで「両方試してみればいいのに」とは思うがそうも行かないのではないか。

メーカーのウェブサイトには「音が降ってくる」ような図表が載っている場合もあるが、実際にはデザインされたサービス・エリアという概念がある。本当は残響しているわけではなく人工的にエコーをつけて3Dっぽさを作っているのでだいたい耳の位置にスピーカーセットを置き効果的な置き場を模索すると良い。

赤で示されたサービスエリアの中に座る必要があり、メーカーによってだいたい設置場所が決まっている。

一方でリアルシステムの場合にはスピーカーの置く場所を変えられる。つまり、サービスエリアもデザインできる。例えばYAMAHA YHT-S351はフロントのスピーカーの幅に応じて設定を変えることになっている。

フロントスピーカー
スピーカーの配置を自由に決められる

Comments

“Sony, Yamaha, Denon あなたにピッタリのサウンドバーはどのメーカー?” への2件のフィードバック

  1. […] Sony, Yamaha, Denon あなたにピッタリのサウンドバーはどのメーカー? […]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です