今回はChatGPTとClaudeを使って基本的な解析をやってみた。毎日摂取カロリーと体重を記録している。記録が一ヶ月ぶん蓄積できたので、それぞれのAIにデータを見せて評価してもらうことにした。
- ChatGPTは分析が得意
- Claudeはビジュアル化とプロジェクト化が得意
と異なる感想になった。
目次
ChatGPTは平均より基礎代謝と筋肉量が低めであると出たが、Claudeは平均的で運動量は平均以上であるという異なる評価になった。どちらもだいたい2000kcal程度を目安に食べるものを管理すると良いという。
なお両者にこの原稿をプルーフリーディングしてもらったところ「正確性には限界があり、アドバイスを求めるならば参考程度にするべき」との注釈をいれるように言われた。AIのアドバイスを鵜呑みにして裁判ざたになっても困るという気持ちがあるのかもしれない。
Claudeは
- 長い対話を通じて文脈を理解し続ける能力
- 専門的な内容でも分かりやすく説明する能力
- 倫理的で健康的なアドバイスを心がける姿勢
には自信があるが、
専門的な医療判断については医師に相談することが重要
なのだそうだ。
データの取り方
まずはデータの取り方だ。
ChatGPTに摂取カロリー管理システムを作ってもらいMac OS Montereyで管理している。MySQLとPHPベースのシステムになっている。体重は体重計のデータがiPhoneに蓄積されるようになっている。ヘルスケアのデータを外部アプリを使ってエクスポートしている。
このデータをMySQL上で日付でサマライズする。また体重は別のテーブルになっているのでNumbers上で手動で合算させる。おそらくこのあたりを自動化するスクリプトを書いてもらうのはそれほど難しくないだろう。
Claude
Claudeはビジュアル化が得意
Claudeはデータを投げ入れるとすぐにプロクトを作ってくれた。プロジェクトはエラーがあって動かなかったが自動修復機能が働いた。この「カロリー管理ダッシュボード」はアーティファクトと呼ばれる。Claudeのコンソール上でも動くが、ローカルにファイルをダウンロードして自分で改良を加えることもできる。プロジェクトはバージョン管理されており遡って確認することも可能らしい。
体重とカロリーのバランスだけでなく、栄養素の推移のグラフも準備されている。仕様はこちらで一切指定していない。このようなプロジェクトにはこのような可視化がふさわしいと自動的に判断してくれるようだ。
Claudeはファイルアップロードが苦手
ClaudeはCSVとPDFを受け入れることができることになっているが何度やっても受け入れてくれなかった。Google Chrome上でエラーになる。このためテキストファイルにしてプロンプトに直接投入するしかなかった。なおExcelファイルは読み込めるがNumbersファイルは読み込めないそうだ。
ChatGPT
ChatGPTは分析に力をいれる
ChatGPTはこの程無料アカウントでも「プロジェクト」が作れるようになった。体重管理プロジェクトを作り情報をまとめることにした。
こちらは全体的にダイエットが成功しているというよりは、どういうときに体重が減りやすく、どういうときに増えやすいかという分析に関心があるようだ。炭水化物を制限しているので、炭水化物が増えたときに水分が増えて体重が戻りやすい傾向があると指摘してくれた。変動があるため「3日の平均で体重を確認すると良い」と指摘している。
ビジュアル化はやや苦手
ChatGPTはビジュアル化はやや苦手のようだ。日本語だとタイトルが□□□□□□にように表示されてしまう。グラフも静的なもの。Claudeを見た後では見劣りしたと感じる。
ChatGPTはしれっと宣伝も
ChatGPTにプルーフリーディングをお願いすると、脈絡なく「写真を送っただけでカロリーを計算できるツールがあるというのは本当です」と言い出した。実際にそんなことはブログに書いていない。実はChatGPTにはスマートカロリーと言う仕組みがあり、Explore GPTから検索することができる。
分析結果は両者異なる
Claudeは全体をざっくりと見てくれるので、結果的に体重が減っているのだからダイエットは概ねうまく行っているとの評価。一方でChatGPTは細かく分析しカロリー摂取に波があることを問題視している。
もっとも異なったのは「維持カロリー」だった。
理論的には摂取カロリーと体重の減り方から体重収支がわかるはずだがデータにばらつきがあるうえにデータ量が少ないためChatGPTは相関分析をしても有意な結論が得られなかったようだ。平均的な男性として筋肉量が少なくカロリー消費が低いか記録しているデータよりも摂取カロリーが高い傾向があるのではと結論付けていた。
結果的に維持カロリーは、理論計算値は2300kcal程度だが2000kcal前後と結論づける。つまり代謝が低い可能性があると示唆している。ChatGPTは1ヶ月で1キロの体重減少させるためにはカロリー摂取を1700〜1800kcalに落とすと良いという。
一方のClaudeは全体に体重が減ったことを重要視しており、維持カロリーを2100-2200kcalと算出していた。平均的な男性の維持カロリーは1800-2000kcal程度なのだそうだ。Claudeの結論は次のようになった。ただし誤差があるので±100kcal程度で調整することをお勧めされた。
- 現在の1,910kcal: 続ければ緩やかに減量継続
- 2,100kcal: 体重維持
- 2,200kcal以上: 体重増加の可能性
結論
もちろん今回の企画の意図はChatGPTとClaudeのどちらが勝つかというものではない。むしろ得意不得意があるためセカンドピニオンとして両者使い分けるのが良いのではと感じた。
特にダイエットのように「このままのプログラムを続けていて良いんだっけ?」と考えがちなプロジェクトの場合「うまく行っていますよ」という指摘は励みになる。
ただし、使い分けをしていると結果的にどちらで何を聞いたのかわからなくなってしまうデメリットもありそうだ。
特に有料サービスを利用したい場合にはしばらくテストプロジェクを使ってみて最終的にどちらを選ぶべきなのかを精査したほうが良さそうだ。
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