はじめに
目次
Denon DHT-S217やDHT-S218などでDolby Atmos信号を受け取れているのかどうかを気にする人は多い。DHT-S217のLED表示は「水色」でAtmosを受信、「白色」でAACなどの通常フォーマット受信を示すため、白色点灯のままだと「Atmosを体験できていないのでは?」と不安になることがある。だが実際にAppleTVのMac版などで音を聞いてみるときちんと高さの表現が出ている。一体何が起きているのか。

信号処理の過程でLPCM 5.1.2に変換されている場合、事実上Dolby Atmosに近い空間オーディオ体験を得られている。本記事ではその確認方法と安心できるポイントをまとめる。
設定と信号確認の方法
Apple TVの場合
- 「設定」→「ビデオとオーディオ」→「オーディオ形式」で、Atmosが「自動」になっていれば、再生アプリが対応している際に自動的にAtmos信号を出力する。
- ただし、HDMI接続先の機器によってはAtmosが**LPCMマルチチャンネル(例:5.1.2ch)**として出力される。この場合でも、オブジェクトベースの音声情報は反映されており、体験としてはAtmosと同等だ。
Chromecast with Google TVの場合
- 「設定」→「ディスプレイと音声」→「音声出力」でAtmosが有効化されているか確認が可能。自動にするとドルビーアトモス/ドルビーデジタルプラスと表示されていることがわかる。
- DHT-S217の表示が白色でも、出力はLPCMでAtmos相当の処理が行われていることがある。
- 実際にAppleTVでDolby Atmosの映画を見たところ信号が青色点灯していた。ただし音声は原語(多くの場合は英語)を選択する必要がある。

Macの場合
- Audio MIDI設定でスピーカーの設定をする。まず8chで接続しスピーカーを構成する。
- このときに「アトモス」と表示されればサウンドバーは正しく認識されている。
- このときにアプリケーションが対応していればDHT-S217の表示が白色でも、出力はLPCMでAtmos相当の処理が行われている。

LED表示と実際の体験の違い
- 水色LED:Dolby Atmosビットストリームを直接受信している。
- 白色LED:AACやLPCMを受け取っている。ただし、この中に「LPCM 5.1.2」のようにAtmos信号が展開された状態も含まれる。
つまり、白色点灯だからといってAtmosが効いていないわけではなく、むしろ再生機器側で処理されたAtmosの効果をLPCMとして受け取っていると考えられる。
用語解説
- AAC 5.1:圧縮方式AACで符号化されたサラウンド音声(5.1ch)。Apple TVやストリーミング配信でよく使われるフォーマット。
- LPCM 5.1.2:非圧縮のリニアPCMで、5.1chに加え2chの高さ方向スピーカー情報(.2)を含むフォーマット。Dolby Atmosのオブジェクトベース音声が展開され、この形で伝送される。
まとめ
- DHT-S217の表示が白色でも、Apple TVやChromecastがDolby AtmosをLPCM 5.1.2として出力していれば、空間オーディオ体験は十分に得られる。
- Atmosロゴや水色表示が出なくても「信号がきちんと処理されている」ことが重要。
- Chromecast with Google TVを利用すれば、Atmos信号が確実に出力されていることを確認できる。
特にMac miniなどHDMI付きのMacからサウンドバーに接続している場合は白色表示のままでもDolby Atmosの臨場感を体験できていると考えて問題ない。しかしながらAppleはこのあたりの技術情報の開示にあまり積極的でない。どうしてもきちんと信号が出ていることが確認したいのであればChromeCast with GoogleTVでAppleTVアプリを使ったほうがいい。こちらはきちんとDolby Atmos信号を送っていることが確認でき、DHT-S217のデコードでDolby Atmosを堪能できる。
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