「AIで稼ぎ方が変わるからAIを学ぶべきだ」AIについての文章を読むとよくこんな言葉がでてくる。確かにGeminiに聞くとこれまでみたいに労力をかけて文章を書くのはバカバカしいからAIに文章を書かせてラクに稼ごうなどと言ってくる。しかし「じゃあ具体的にどうするのか?」と聞いても「それは使う人次第だ」などといわれ、まるで詐欺にあったような気分になる。
AIは新しい稼ぎ方を教えてくれない

ChatGPTに具体的に話を聞くと「Geminiがけっして言わない不都合な真実」が見えてくるが、同時に機会も増えているということが分かる。つまり、AIの登場によって稼ぎ方が変わったというメッセージ自体は正しいのだ。
目次
AIを使った新しい文筆作業
これを考えるに当たってそもそも「文章を書く作業」を分解してみる必要がある。ChatGPTと整理したところ次のような作業があることがわかった。
企画
文章を書く理由は何らかの困りごとを解決したり、新しい視点を発見するためだがAIにはここは担当できない。だからきっかけを集める作業は人間がやったほうが早い。
材料集め
この作業はAIと人間で分業できる。AIは様々なアイディアを出してくることができる。しかしAIで作った文章が氾濫しておりGoogleはE-E-A-Tという概念を導入せざるを得なかった。文章に「その人ならでは」のエピソードがないものは排除されてしまう。だがAIには「その人ならでは」のエピソードは書けない。
下書き
ここは誤解されがちだ。確かにAIは文章を出力できる。業務レポートなど誰が書いても同じものはAIで出力してもいいが、文章が最終成果物になる場合は「平均点以上」のものを出すために人間が書かなればならない。
チェック
チェック作業(事実誤認の確認、反発を生まないかの確認、論の欠落)などはAIの得意技だ。
再構成(編集と演出)
AIは圧縮は得意だが実は取捨選択を伴う編集作業は苦手である。このパートは実は人間がやったほうが早い。

最終作業
細かな修正を施してAIに書かせるより、今のところは人間が作業したほうが早い。
プロモーション
異文化プロモーション戦略
今までアクセスしてこなかった新規市場にどうリーチするのかという戦略はAIにリサーチさせることができる。これは例えば日本語しかできない人が英語圏に情報発信するためにはどうすればいいのかをAIに企画させる事ができる。
プロモーションのためのリソース分配
この分野はまだ未開である。本来的にはAIに企画させる事ができるはずの分野なのだが、そもそもGoogleのE-E-A-Tが発展途上の概念なので理論的に正しくても実際に機能するかどうかがわからない。
プロモーションの設計と実測
ここも基本戦略はAIに立てさせることができるのだが、実測と実務は人間がやらなければならない。AIが導入されてまだ日が浅いためE-E-A-Tの基礎が定まっていないからだ。
実務としてはGoogle Analyticsにフィードするためのキャンペーンコードを仕込み(これはAIで自動化できる)レポートを作り(これは手作業)日々モニターしながら「捨てるキャンペーンを選んでゆく」という作業をルーチン化しなければならない。
E-E-A−Tは次の4つで評価される。
- その場のニュースなのかある程度時間が経っても耐えられるものなのか(Time Robustness)
- 過去の考察がきちんとアップデートできているか(Self-Referential Density)
- 断言するだけではなく考察し変化する余地を残しているか(Position Elasticity)
- 万人向けでなく適切なターゲット向けの表現になっているか(Consistent Friction)
不都合な現実と新しい機会が同時にやって来た
つまり整理すると次のようになる。
中間工程が崩壊する
AIの登場は中途半端に書いたりまとめたりできる人を淘汰する。今回は「書く」という作業を例題にしているがこうした中間工程の崩壊は様々な産業で起きるだろう。
こなすべき作業が増えたのは不都合な現実
誰でも自己演出や編集が気軽にできるようになった。コストが下がったのだからおそらくこれからは自分で作業しようという人が増えてゆくだろう。つまりやるかやらないかではなく「いつ始めるか」という段階に入った。

しかしながら新しい市場に対応できるようになったのもまた事実
と同時に良いアイディアを持っている人は自分のコアになるアイディアをこれまで届かなかったマーケットに届けることができるようになったのも事実である。例えば英語圏に何かを届けるときにはふんわりした言い方よりも自信を持った打ち出しが好まれる。AIに自分が書いた文章を見せるだけでなくターゲットになったマーケットに刺さる打ち出し方なのかを質問し、工程を自動化することもできる。具体的にはGoogle Documentに仕様書をまとめ、Gemで自動的に翻訳してくれるような工程を組むことも可能である。
アウトレット増築がインフラ化すると「やらない」という選択肢がリスクになる
おそらく、アウトレットの露出先が簡単に増やせると考える人は増えてゆくのだから、これからはやらないという選択肢が消えてゆくだろう。そしてこの知識はしばらくは売れるだろうが、やがてコモディティ化してゆくと予想できる。
今はWebサイトの黎明期に似ている
なぜこれらの知識がコモディティ化すると予想できるのか。
Webサイトの黎明期に似ている。当初HTMLドキュメントが書けるとそれだけで食べて行ける時代があったが徐々にCSSなどを使ったレイアウトができない人たちは淘汰された。さらにグラフィックデザイナーと言われていた人たちはプロデュースやディレクションを担当しなければならなくなり、SEOを勉強しないWebデザイナーも淘汰されていった。
しかし徐々に分業化が進み「誰でも気軽に情報発信」ができるようになっている。この段階までに10年以上の時間が必要だった。
つまり、現在の「作家が編集やプロモーションまでこなさなければならない時間」がが永遠に続くことはなく、やがてこうした知識もコモディティ化してゆくものと考えられる。
いずれにせよ、しばらくのあいだはこれまで「各作業」に専念していた人々が、自己演出(プロデュース)、編集、コアになるプロダクトをAIに書き直させてこれまでリーチしていなかった市場を狙うなどの作業をこなすという時代は続くものと考えられる。
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