AIを使って手堅く損をせずに投資する具体的な方法

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一般人が投資リテラシーを身に着けなければならない厄介な時代

長いデフレを抜けてインフレが始まった。しかし個人的には「こども銀行」程度のリテラシしか持っておらず「投資はギャンブルなんじゃないか」と感じる。一方で政治系の記事を書いていると政治が問題を解决してくれることはなさそうだとも実感している。そんなときに役に立つのがChatGPTなどのAIである。REUTERSやBloombergのような難しい内容を噛み砕いて教えてくれる。一方でAIならではの癖があり、これを知らないと一般的で内容の薄い回答しか戻ってこない。

市場で起きている動きが気になるがキモチが動かない……

金の価格が高騰している。しかしこども銀行程度の知識しかないので「一方的に上がり続けるのは全部バブルだろう」と思っている。NotebookLMで「金利下降局面では金には投資としての価値があるのです」等と言われたが「ふーん」と考えていた。

局面が変わったのが2026年の年明けだ。トランプ大統領の発言が不規則になりドル離れが加速しその一環として金が買われ始めた。ChatGPTによるとVIXやSKEWを意識して警戒を怠らない方が良いタイミングらしい。現在はVIXが低いタイミングでありSKEWが高くなっている。めったに起こらないが一度起きると大惨事になりかねないような変化に対する保険の需要が高まっているということなんだそうだ。

千里の道も一歩から – まずは目の前にある疑問を一つひとつ解决してゆこう

ある程度の金融知識を持っている読者を前提にしているREUTERSやBloombergを読んでもこうした基礎知識は教えてもらえないが、時間のある時に記事について「ねえ、これはどういうことなのか?」と聞くとChatGPTもGeminiも丁寧に噛み砕いて教えてくれる。

こうして「金は保険であり値上がりを期待するような商品ではないのだ」と徐々に学んでいった。個人的な経験を考え合わせると態度や認識を変えるのにかなり時間がかかっているが、そもそも何も知らないのだ。そんなものだろう。

ニュースは多層的に読め!

Geminiはニュースを切り分けて

  • マクロ層(構造的変化): インフレ、ドル離れ、人口動態など。AIには「過去20年の歴史的類似局面との比較」をさせる
  • イベント層(流動的変化): トランプ大統領の発言、中央銀行の決定など。ここでのAIの役割は「第2次、第3次波及効果の予測」だ
  • センチメント層(心理的変化): VIXやSKEW。AIに「現在の市場は『過剰な楽観』か『根拠なき悲観』か」を判断させ、自分の感情と切り離す

のように分析すると良いという。

Gemにカスタム指示を付け加えて分析を定式化すると良いかもしれない。またGoogleドキュメントにマニュアルを作って外部参照させるという方法もある。具体的な手法はGeminiに質問しながら聞くと良い。

AIならではの免責装置に注意

質問を繰り返す中で意外なことも学んだ。漠然と質問をするとAIは平均的な情報を返してくる。極端な回答でユーザーを誘導し、あとで訴えられるのを恐れているのだろう。特にChatGPTはその傾向が強く「保険をかけている」と感じる。

ところがニュースを起点にするとChatGPTの態度はより辛辣・急進的になる。つまりニュース「解析である」ことが免責になって大胆な発言が出やすくなるのだ。

つまり、日頃からREUTERSやBloombergを閲覧するかGoogleアラートで記事を集めたりして、気になるニュースを収集してAIに質問をするというのが最も効率が良さそうである。

AIは投資アドバイザーではない

AIに助言を求めてはいけない

免責回路が組み込まれているAIに「助言」を求めてはいけない。あくまでも「分析」として聞き出すのがコツである。さらに分析が溜まって来たら今度は「仮説」を置いてみてAIにチェックさせると良い。あくまでも「考える主体は人間である」という点を意識すれば、AIを使った投資判断はかなり精密になるだろう。

このときに「ロール」を指定するのも良い。特に可用性が高いGeminiでは有効な手段だがChatGPTでも使えそうだ。

煽られて態度を急に変えるのも良くない

一方で「AIに煽られて急に態度を変えない」のも重要かもしれない。個人的な経験を踏まえると「これは保険=金も見ておいたほうがいいのでは?」と考えるようになってから、実際にニュースが目につくようになるまで数ヶ月が必要だった。逆にニュースとAIの分析に煽られていたら目の前で乱高下する市場にかなり焦りを感じていたかもしれない。

逆に信念体系を揺さぶられ怒ってしまう可能性がある。これまで「投資はギャンブルだ」位に思っている人がAIにいきなり「これからは自分の資産は自分で守らないといけません!」等と言われると妙に防衛的な気持ちになることも多かった。AIにはあなたを脅迫して投資を強要するつもりはない。証券アドバイザーと違ってあなたが投資してもAIには1銭も手数料収入は入らない。単に学習された情報をもとに分析をしているだけなのだ。

市場リスクを示すダッシュボードくらいならスイスイ作ってくれる

プロツールにあるようなニュースアグリゲーションは難しいが、ダッシュボードくらいならスイスイと作ってくれる。ただしAPIを使うとお金がかかるのでPuthonが動くサーバーを自分で準備して(お金がない分はITスキルを身に着けなければならない)プログラムだけ書いてもらうという形式になる。

具体的な検証はまだ完全自動化できないレベル

2026年2月6日にビットコインの下落が始まった。極端なリスクオフの動きが始まったのだ。当初の目論見は指標データをAIにフィードしてレポートを引き出そうと考えたがこれはうまく行かなかった。

今はまだ具体的なニュースをAIにフィードする必要がある

そこで全体像を掴もうと考えた。これまでであればスケッチブックなどに相関図を書いてまとめることが多かったのだが、それをAIにやらせることにした。

今回は

  • 利下げ予想からハイテク株の値崩れが始まっているというBloombergのニュース
  • ビットコインが派手に下がっているというBloombergのニュース
  • とはいえ金の価格は乱高下を繰り返しており、金が逃避先になっていないニュース

をフィードした。

この関連ニュースの収集も本来はAIにやってほしいところなのだが「推論」を重ねて「研究」を組み立てることはできない。

ここから得られたのは「安全資産への逃避は始まっているが金が受け皿になっておらず現金(ドル)と米国債が逃避先になっている」という結論だった。つまりここまでの結論は「現金化」ということになる。しかし実際にはそうではない。

ポートフォリオを見ると戦争有事に弱い商事会社から戦争有事に強い商事会社への資金移動が見られる。さらにハイテク株から軍事株や日用品(コカ・コーラやP&Gなど)への資金逃避も確認できた。こうした「AからB」への移動の組み合わせをAIに作らせると可能性が飽和しかねないため、ここはまだ人間がデザインしてAIに支持を与える必要がある。

OpenAI社は金融アドバイスのためのソリューションを出すそうだが、まだ「AI原始時代」であり、効果測定のフレームワークは自分でデザインする必要があるというわけだ。

一方で全く自動化できないわけでもない

しかし「原始時代だから全く自動化できない」というわけでもない。例えば今のポートフォリオをすべてフィードしたうえで

  • 最適化提案
  • 資金移動が起こりやすい組み合わせ(例えば商事会社同士の資金移動やハイテクから日用品への移動)を提示させる

などはある程度自動化できそうだ。

ただしそのためには試算表を構造化して置かなければならない。構造化と言っても難しいものではなくGoogleスプレッドシートにまとめるという類の整理で十分だ。補助的に「攻めのハイテク」とか「守りの日用品株」等としたうえで分析をAIに任せるのが最も確実と言えそうである。


AIに指示をする具体的なプロセス

【現状把握】ポートフォリオを読み込ませる

  • 今回のように資料をアップロードし、資産構成比(商社X%、ハイテクX%、現金X%など)をAIに正確に認識させる。

【環境入力】市場のコンテキスト(状況)を伝える

  • 「現在、ビットコインの急落によりリスクオフ傾向が強い」「米国の金利見通しが変わった」などの最新状況をAIに教える。

【関係発見】ABペア(逆相関)を特定させる

  • 「この環境下で、売られやすい資産(A)と、逆にクッションになる資産(B)はどれか?」を抽出させる。

【最適化】リバランス案を計算させる

  • 「リスクオフ耐性を強めるために、Aの比率を〇%減らし、Bを〇%増やす案を、現在の現金残高を考慮して作成して」と指示します。

AIにABペア(逆相関)を特定させる、具体的なプロンプト案

「以下の資産リスト()に基づき、相場環境の変化によって資金が移動する『A(流出元)からB(流入先)』のペアを特定してください。

分析にあたっては、以下の3つの観点で整理してください:

  1. セクターローテーション(リスクオン/オフ): ハイテク株(成長)から日用品株(守り)への資金移動のペアを、銘柄名と比率を併記して抽出してください。
  2. 地政学リスク・ヘッジ: 市場全体が不安定になった際、商社株やハイテク株(A)から、金(JAU/IAU)や軍需(LMT)(B)へ資金が逃げる相関関係を整理してください。
  3. 同一セクター内の代替(ペアトレード候補): 商社株(住友商事、三菱商事、伊藤忠商事)の間で、特定の銘柄が売られた際に別の銘柄が買われやすい『同業種内での資金の入れ替わり』の組み合わせを特定してください。

最後に、このポートフォリオにおいて『AからBへの移動』が最も起こりやすい、最大比率のペアはどれか教えてください。」

🛠️ 汎用AIを「プロツール」に変える定式化プロセス

プロツールはこれらの手続きを自動でやってくれるが、汎用AIでもかなり近いことはできる。プロツールはこれらをすべて自動でやってしまうが、汎用AIは自分で理解を深めながらプロセスを組み立てることが可能だ。

  1. Input(フィード):
    • 資産データ: 銘柄、比率、現金残高を読み込ませる。
    • ラベリング: 「Growth (High-Risk)」「Defensive (Low-Risk)」などの属性(タグ)を明示して読み込ませる。
  2. Structuring(分類):
    • リスクオン・オフ分類: 全体資産での比率と、投資枠内での比率を分け、AIに「現在の戦力バランス」を計算させる。
  3. Stress Testing(検算):
    • 具体的シナリオの注入: 「イラン攻撃」「インフレ再燃」「AIバブル崩壊」など、今の自分が最も恐れている(または期待している)極端な条件をぶつける。
  4. Action Plan(最適化):
    • リバランス案の算出: 変動後のポートフォリオを検出し、元の「理想の比率」に戻すための売買リスト(AからBへの移動)を作成させる。
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