ドルチェ&ガッバーナはテーラードアイテムとボロボロのビンテージデニムを組み合わせて2000年代の中盤に大流行を作り出した。もともとテイラーなのでこうした試みが成功した。一方でDSQUARED2は芸術作品としてのデニムを探求している。2005年や2006年当時の広告を見ると今では炎上確実な表現が多用されているのだが、当時は反逆こそがアートだった。
しかしこうした試みが一般化すると、今度はワークウェアの会社から出発したDIESELが「科学加工を施した新しいビンテージ」を模索し始める。1978年設立当時、レンツォ・ロッツォのコンセプトは「ディーゼルエンジンのようにパワフルな」というものだった。コレクションアイテムであるDIESEL Black Gold(ディーゼル・ブラック・ゴールド)が誕生したのは2008年。
2012年のDIESELのコンセプトはWelcome to WorksVilleだった。このジャケットは2018年6月22日に手に入れたもの。価格は4,800円だったのでかなり「思い切った」買い物。最初はかなり頑張って着ていたが、当然次第にクローゼットの中に埋もれてゆく。




こうした経緯を知ると当時のカタログになぜ「今回のデニムコレクションでは、従来知は正反対の加工を採用。ダメージを加えてボロボロにするのではなく、クリーンなヴィンテージ感を演出しました」と書かれている意味がわかる。

ということでデニムについて知るためにはこのWASHという記号から「意味を引き出す」のが非常に大切なようである。ちなみに008ATはやりすぎでない程度のWASH加減なので普通に着用することができる。
入手日は2021年7月20日で購入価格は750円だった。



しかしこの時代にはすでにジョグジーンズがカタログに入っている。ジョグジーンズ2011年に登場したそうだが、結果的に消費者が選んだのは「快適さ」だった。2014年〜2015年頃、ファッション界に「アスレジャー(Athleisure)」の大波が来るとデニムは時代から取り残された。
アスレジャーの源流はすでに2004年に発売が始まったEA7に見ることができる。当時「あのアルマーニがわざわざスポーツウェアに手を出すのか」などと思った人もいるだろうが、2012年のロンドンオリンピックでイタリア代表チームの行使区ウェアを担当するまでに成長した。
こうなるとデニム全般、特に「ドルチェ&ガッバーナ」の穴の空いたビンテージデニムは「流行から取り残されたおじさん」の象徴となってしまったのだ。
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