Armani New Softline Suits

Armani New Softline Suit

1990年代の後半に購入したものと思われる、ポストバブル期のスーツ。バブル期のオーバーサイズ気味で肩パットがガッツリ入ったスーツから脱却し体に沿ったラインが特徴でNew Softlineと称される。

Collezioniラインは贅沢品ではなく普通のビジネスマンが着る事ができる価格帯で売られていた。こんな事ができたのは1ドルが80円程度だったから。今では「失われた30年」などと一括りにされるのだが、実は最初の10年はまだまだこんな感じだったのである。デパートの外商で手に入れるようなものではなく普通の売り場に並んでいて、サガゼン・ゼンモールなどでも手に入れることができた。

Armani New Softline Suits, Tag

もちろん「なんだCollezioniか」という人もいたがもともとARMANIが余計な素材に頼らない引き算の美学を持っていた点、テーラーメイドの要所を抑えつつミシンなどの機械化を徹底した点、そして型紙が美しかったため形が崩れなかった点などが今でも確認できる。

Armani New Softline Suits, Tag

これが普段の通勤服だったのでかなり粗雑に扱っており食べこぼしのシミのせいで袖口に穴が空いている。

Armani New Softline Suits

そもそも3つボタンがいつの間にか2つボタンになった時期を調べてみたのだが、エディ・スリマンが2001年にディオール・オムのデザイナーに就任したことがパラダイムシフトになっているそうだ。それまではVゾーンがタイトでシャツとネクタイはかなり添え物のような扱いだった。これが一般化するのが2010年くらいだそうなので、10年くらいかけてゆっくりと淘汰が進行したことになる。

Armani New Softline Birds-Eye Suits

毎日同じものを着るわけにも……と考えてバーズアイ模様のものも持っていた。これも西武百貨店のセールだった気がする。織り柄が入っているスーツは当然パンツが擦り切れると着ることができなくなってしまうわけだが、あまり気を使うことなくそのまま着倒していた記憶がある。

Armani New Softline Suits, Bird's-Eye

Armani BORGO21 Jacke (推定2004年)

これは2022年に1980円で手に入れた。パンツがないためにストレート目のジーンズ(ドルチェ&ガッバーナのもので仕立てがジーンズではなくパンツのようになっており、パンツの代替品として使える)と適当に合わせているのだが、実はBORGO21はトップラインだそうだ。Geminiで調べると推定価格は20万円以上ということなのだが、おそらく現代ではほぼ無価値になっていることが分かる。

ARMANIなので芯地は入っておらず軽さはそのままだがウェストが絞り込まれているのが特徴。

Geminiは25.01.08/04という表記から2004年のモデルと推定した。

Armani Jacket, Tag

気になるのがスーツのボタンまわりに入っているシワである。これはともすると体に合わないスーツの証とされる。Collezioniの当時のカタログ(2004年と2005年)を持っていたので比較してみた。どうやらこれは意図して作られたドレープのようだ。もちろん当時に合わせなければならないという絶対的な規則もないのだろうが、テーパードではなくストレート目のパンツと合わせるのが正解のようである。

BORGO21の源流となるCLASSICOラインのリネンジャケット

ARMANIがいかに見放されているのかがわかるのが次のジャケットだ。BORGO21ができる前の1990年代後半から2000年代前半にかけて作られていたもので当時の価格は20万円程度以上だったそうだが1,000円で売られていた。麻95%で柔らかさを出すために絹が5%混ぜてある。サイズは50なのでただでさえ長い丈が更に長め。おそらく袖は日本人に合わせて短く加工したのだと思う。

パンツはMABITEX x 11881 Cerrutiのもの。ブランドに頼るのはもう古いとしてINCOTEXやMARITEXなどのパンツ専業メーカーの品物がフィーチャーされた「クラシコ・イタリア」ブームの流れを受けたもの。セレクトショップ(BEAMS, UNITED ARROWS, SHIPS等)などがデパートに取って代わりファッションの主役になっり、落合正勝氏などがブームに精神的支柱を与えた。当時、輸入を手掛けたのがエヌ・ケー・クラシイックという会社だが2007年に倒産したそうである。ユーロ高の影響を受けた。その後リーマン・ショックが起こり日本の通貨価値がだんだん下がっていった時代である。しかし民主党政権下でも対ドルは高い水準を保っていため通貨価値が下がったとは感じにくかったのだ。


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