このエントリーではグッピーなどの熱帯魚が次々に死んでしまう理由について、経験的に分析したうえで、実際にやったことをまとめた。
目次
水が汚れている
酸素が足りない
水質が突然大きく変化する
バクテリアが突然死んでしまう
このエントリーを作ろうと思ったきっかけ
2023年の秋と2024年の夏にグッピーが大量死した。2024年の夏には気温が30度を超えた頃に突然水が白濁を起こした。この時からグッピーが死に始め最終的には1匹だけになってしまった。このためなぜ死んでしまうのかについて調べようと思った。

グッピーなどの熱帯魚が突然死んでしまう理由
1. 水が汚れている
最初の理由は水の汚れである。魚の排泄物は最初にアンモニアになるのだがバクテリアの働きで亜硝酸塩が出る。さらにこれれが硝酸塩に変わる。硝酸塩は有害度合いが低いと言われる蓄積しすぎると有害になるため「定期的に」水換えをしなければならない。だが初心者にはどれくらいの時間で硝酸塩が蓄積するのかがわからないためまずは試験紙を使って汚れをモニターする。

このため最初は試験紙などを使って定期的に水の汚れをモニターする必要がある。
2. 酸素が足りない
これとは別に水温が上がると同じpHでも酸素含有量が変わる。ChatGPTによると水温25℃/pH 7で1リットルあたりで8.26mgの酸素が溶けているが30℃で7.48mgになる。10%ほど減少する。これが35℃になると6.81mgにまで減少するそうだ。
また水草が多すぎると夜間には酸素を吸収するため魚と酸素の奪い合いがおきるそうである。
2-a. 水草が多すぎる
実は水草が多すぎることも酸欠を招くそうだ。水草は日中は酸素を供給するが実は夜間には酸素を消費するので熱帯魚との間で酸素の奪い合いが起きるそうだ。
3. 水質が突然大きく変化する
KH(炭酸塩濃度)が低すぎるとアルカリ性の水が突然酸性に変化する可能性があるそうだ。この場合はカキ殻などを投入すると突然の変化を避けることができる。逆に日中にアルカリ性に上がる場合には光合成が強すぎて二酸化炭素(CO₂)不足が考えられる。KHが足りずに急激に酸性に傾いている水が日中急激にアルカリ性に戻るというショックが考えられる。
- アルカリ性が突然酸性に変わる場合:KHを足すために牡蠣殻などを加える。
- 酸性が突然アルカリ性に変わる場合:まずKHを整えてから牡蠣殻の量を微調整し、光合成を抑えるために光の量を調整する。
4. バクテリアが突然死んでしまう
アンモニアを亜硝酸塩・硝酸塩に変えるためにはバクテリアが必要。酸欠になるとバクテリアが死んでしまうため急激にアンモニア濃度が上昇して魚が大量死することがある。
管理のために必要なもの
アクアリウム用試験紙:1000円弱のノーブランドから有名なテトラ社の製品までラインアップは豊富。今回は999円のノーブランド品を選んだが、テトラ社の製品はスマホの測定アプリを使うことができる。
デジタルpH計:一週間に一度水質を見ていたのだがこれではいくら試験紙があっても足りないと思った。そこでデジタルpH計を買ってきた。ここで実はpHに日較差があるということを知った。つまり原因3の状態に陥った。
牡蠣殻:今回は何も考えずに一番安いものを買ってきたが小型のフィルターに入らなかった。できれば「小袋」と書かれたものを買った方がいいようだ。酸性が日中にアルカリ性に移動する場合には牡蠣殻は必要だが量を減らす必要があるためだ。慌ててダイソーで水切り袋を買ってきて牡蠣殻を小分けにした。
バクテリア追加剤:GEXとコトブキが両巨頭だが実は濃度に違いがある。これがわからずに今回は安いコトブキのものを買ってきた。アンモニアを亜硝酸塩・硝酸塩に転換するまでを担当する。ただ、今回はきちんと硝酸塩にまでにはなっているようなのでバクテリア追加剤は必要なかった。
テトラ水のリサイクル:こちらは硝酸塩を窒素に変える働きがあるとされている。経験上は一度硝酸塩が溜まってしまうと効果は出ないようだ。
エアレーションポンプ:夏には酸素含有量が低くなるためポンプを買った。チューブなど別々に買うと意外と高く付くがGEXがセットにしているものを見つけた。
実際にやったこと
熱帯魚の死因をまとめたが、ここに至るまでには紆余曲折と何回かの失敗があった。
水槽の容量と作戦
熱帯魚水槽
熱帯魚水槽:21.85ℓ = 38cm*25cm*23cm。2007年からの大磯砂がそのまま使われている。千葉市の水は硬度が極めて高い水草の育成には向いていない水である。
この水槽は2023年の秋と2024年の夏に大量絶滅を経験している。2024年の絶滅は理由がわかっている。日陰に置いたことで水質が悪化した。このためフィルターを水道水で洗ったところ水が白濁した。今にして思えばここでバクテリアが死んだのだろう。つまり原因4が起きたのだ。
硝酸塩が落ち着くまで毎日水替えを行い、適宜バクテリアを追加する。毎日1/3の水替えを3回行ったところ硝酸(HNO₃)の値が規定値上限まで落下した。
メダカ水槽
18.375ℓ = 35 * 25 * 21cm。途中で買った明るい色の大磯砂が使われている。千葉市の水は硬度が極めて高い水草の育成には向いていない水である。メダカを10匹導入したが最初に1匹が落ち9匹が暮らしていた。
水替えをせず最初のみバクテリアを入れ、あとはリサイクル剤(硝酸塩を窒素に転換するとされるもの)を使った。
しかしながら水槽を移動させる必要があったので水換えを行った。ここで硝酸塩濃度が落ちた。
ところが悲劇はここで起きた。ウォータースィステリアが繁茂した。2025年6月中旬に気温が35℃になった日が2日続いたのだが、ここで4匹が落ちて5匹になってしまった。おそらく原因2-aが起きたものと思われる。
経緯
2023年の秋にグッピーが死に始めたので腹が大きくなっている雌のグッピーを1匹導入。これが順調に子供を産んだため一安心した。
順調に育っていたが春先になぜか水槽をあまり日の当たらないところに置いた。気温が30度を超えたところで水槽のフィルターを水洗いしたところ、水槽が白濁。結果、どういうわけかグッピーが死に始め8月に群れが崩壊した。
ここで8月中旬にグッピーを3匹再導入して再チャレンジすることにした。水質検査のために試験紙を買ったが最初は使い方がよくわからなかった。
最初は安い試験紙で水の水質を見ていた。ここでふと水道水に入れてみた。pHが6.8でCarbonate(炭酸塩濃度/KH)が80㎎/Lを示している。ところが水槽の水を計るとCarbonate(炭酸塩濃度/KH)が0である。pHの変化にかなり脆弱だとわかる。これは生態が多くCarbonate(炭酸塩濃度)が消費されていることを意味するのだそうだ。
この水槽の底砂は2007年ごろから変えていないので炭酸塩分はおそらくもう残っていないのだろう。外から足すためには牡蠣殻などを加えると良いそうだ。また地域(千葉市)の水はもともと硬度(GH)がとても高いが水槽の水はそれよりも高くなっていることがわかる。

このデータをChatGPTに入れたところ「とりあえずKHを上げバクテリアを追加しろ」と指示があったのでとりあえずやってみることにした。また硝酸塩(NO₃)はまだ高めなので水替えを頻繁にすべきとのこと。
pHクラッシュ対策
ChatGPTによると、Carbonate(炭酸塩濃度)がなくなると緩衝作用が亡くなるのでpHが急激に変化する可能性があるそうだ。こうなるとバクテリアが死滅してしまう場合もあるという。そこでバクテリアと牡蠣殻を買ってきた。

ただこの時点ではそれぞれの因果関係が全くわかっていなかった。ここから試行錯誤が始まる。
熱帯魚水槽にはバクテリアを入れメダカ水槽にはバクテリアとテトラの「水リサイクル剤」を入れた。水リサイクル剤にはバクテリアは含まれておらず「バクテリアを増やす働き」があるそうだが「効果が分かりにくい」というレビューも多い。
ただ結果的にはこのバクテリアやリサイクル材にはそれほど大きな意味はなかった。
水替えテスト
まずは水替えの影響を調べてみることにした。結論から言えば水槽の水を全て取り替える(急激にやると影響が出そうなので3日に分けて実施した)と硝酸塩(NO₃)の値が下がりpHもやや回復したので「サボらずに水替えをやる」のが最も効果的な対策なのかもしれないと感じた。
ただこの試験紙のpHが実は余り当てにならないことが後になってわかる。デジタルpH計の値とのズレが大きいのだ。
2025/5/7
左が熱帯魚水槽で右がメダカ水槽のもの。熱帯魚水槽は水替えをしたのでNO₃(硝酸塩)が若干下がっている。NO₂(亜硝酸塩)は1㎎/L程度。さすがにすぐに効果は出ないよなあとは思った。

2025/5/8
バクテリアなどを機にする前にそもそも水の中にNO₃がたまりすぎているのではないかと思った。そこでNO₃(硝酸塩)が下がるまで「毎日」5Lくらい目処に水を変えてゆこうと考えた。NO₃(硝酸塩)の色の変化が穏やかになり色も少し薄くなった。なお牡蠣殻効果は現れていてうっすらKHの試験紙の色が少し緑色味を帯びてきた。

2025/5/9
熱帯魚水槽は1/3水替えを3回で硝酸塩の値が規定値を下回った。メダカ水槽はそのまま。同じ牡蠣殻パックが入っているのだが熱帯魚水槽は炭酸塩(KH)が規定値内に収まりpHが若干上がった。メダカ水槽は炭酸塩(KH)に変化がないが、この時点では理由がわからなかった。あとになってChatGPTを使って情報を整理したところ水草やバクテリアが盛んに活動すると水槽内の炭酸塩(KH)が消費されてしまうのだそうだ。

2025/5/13
しばらくおいてみたが水質に変化はない。テトラのリサイクル材の効果も特に現れているとは言えないようだ。

2025/5/18
水槽の場所を替えるために両方の水を1/2替えた。熱帯魚水槽は全く汚れていなかった。また、メダカ水槽は牡蠣殻効果が出始めて炭酸塩(KH)が上がっている。水を換えたことで炭酸塩(KH)の消費が減ったことになる。

2025/5/27
移動のために換え水してから一週間が経った。熱帯魚水槽は水質が安定しているので水をかえなかった。がメダカ水槽は相変わらずNO₃(硝酸塩)の色が濃い。やはりテトラのリサイクルも一度NO₃(硝酸塩)が高くなってしまうとそれを抑える効果はなさそう。NO₂(亜硝酸塩)は問題がなさそうなのだがpHと炭酸塩(KH)はやや不安なのでやはり一度NO₃(硝酸塩)を下げたほうがいいのかもしれないと思い、水換えのあとリサイクル材を入れておいた。つまり因果関係はよくわかっていなかったわけだ。

2025/6/3
メダカ水槽は換え水の効果が出てややNO₂(亜硝酸塩)の値が下がった。熱帯魚水槽の炭酸塩(KH)は正常レベルに上がった。pHメーターを導入して夕方にpHを計測した所、pH8.5という高い値が出た。朝に計測すると7.3まで下がっていた。水道水のpHは7.3程度なのでpH計が極端に狂っているとは思いにくい。日較差がかなりあるだけでなくそもそも計測ペーパーの値が当てになっていなかった可能性が出てきた。

2025/6/10
水質に大きな変化はない。熱帯魚水槽のpHが8以上に上がったため牡蠣殻を引き上げた。どちらのpHも中性(7近辺)になった。

2025/6/17
2025年は6月に中旬で雨が降らなくなり16日からしばらく30度以上の高温が続く予報になっている。去年の7月の大量死と同じようなシーズンがやってきたことになる。試験紙がなくなったために継続チェックはこれでお休みにする。熱帯魚水槽のpH計の変化は日較差が大きく夕方近くにはpH8.5まで行くことが多かった。
「酸性にすべきだ」と考えて小枝を集めてきて外掛け式フィルターに入れた。日較差はなくなったが炭酸塩(KH)ももとに戻ってしまった。ただこれは気温が上がったせいかもしれない。

2025/6/19
熱帯魚水槽で二回の大量死を経験しているために熱帯魚水槽ばかりを見ていた。酸素含有量が減っているのがよくわかる。水面でパクパクしている魚が増えたからだ。そこでエアレションポンプを買ってきた。エアレーションポンプは酸素を供給するのではなく水面を揺らして酸素を溶け込ませる役割があるそうだ。そこで外掛けフィルターの水が流れるところに設置してみた。

ところが悲劇はメダカ水槽でおきた。ウォーターウィステリアが繁茂しておりメダカが泳ぎまわる空間がなくなっていた。もしかすると夜間の酸素も足りなくなっていたかもしれない。そもそもちゃんと観察していなかったので、気がついたらメダカが4匹落ちていた。死因2-aが起きたのだろう。
最初は少なかったウォーターウィステリアが繁茂してきたのが嬉しくてそのままにしていたのが良くなかったようだ。慌てて半分にトリミングした。


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