Amazonのランキングを見るとプロジェクターの売れ筋は10,000円程度の中華製プロジェクターだ。だが個人的にはあまりお勧めできない。品質があまりにも悪すぎると感じる。特に問題が大きいのはスペック表示だ。比較するのはDr.J hi-04とAcer H3570BDである。どちらもハードオフで購入した。Dr.Jは1,650円でH3570DBは3,300円だった。中古だと価格差は小さいが新品を買うと結構その差が大きい。
Dr.J HI-04のスペックは次のようになっている。
- 明るさは2,400ルーメン
- 1,080P対応の高解像度
- LEDライト
- 最大1000:1の高ダイナミックコントラスト
これを買って他のプロジェクターを買わなければ「まあプロジェクターってこんなもんか」という気がする。ただ昼間は使えないのでなかなか使わなくなってしまう。
表記状は1080P対応になっているが実際には800 × 480の解像度しかなく、1080Pの入力を扱えるだけである。また光学系の出来もあまり良くないため全体的にボヤッとした表現になる。1000:1 というのも怪しい気がする。さらに明るさ(ルーメン)に至ってはさまざまな表現のレビューが出ている。ルーメンにはどうやって測るのかという決まりがないらしく「明るく表記したものがち」ということになっている。当然Amazonも規制はしないので同じプロジェクターでも数値がバラバラというようなことが起きるのだろう。
ちなみにEPSON EB-S10も2,600ルーメンということになっている。だがこの二つを比べてみるとEB-S10は昼間でもなんとか映像を見ることができるのに比べHI04では判別がつかなくなるのでおそらくこの表現は「嘘」である。控えめに言ってもなんの参考にもならない。
新しく買ったのはAcer H3570BDだった。
- 明るさは2,500 ANSIルーメン
- 720Pの高解像度
- DLP方式
- 13,000:1のコントラスト
Dr.Jだけを使っていると「まあこんなもんか」と思うわけだが、いったんAcerのプロジェクターを使ってからDr.Jに戻ると「まるで音のうるさい幻燈機」というような感じになる。字幕の白はぼんやりとしていて画像も全体的にぼんやりしている。にもかかわらずファンの音がやたらにうるさい。LEDなのにファンの音がうるさいので「意味がわからないなあ」という気持ちになる。
ポイントになるのはANSIルーメンという新しい表現だ。計測方法が決まっていて他社製品と比較できる。ただし、ANSIルーメンを使っているメーカーが良いメーカーとも言えない。EPSONなどはそもそもANSIルーメンを単にルーメンと表現しているようだ。3200ルーメンで「明るい室内でも使える」などとされている。この数字が大きくなると遠くから投射できるので結果的に広い画面を実現できる。
例えばAcerのプロジェクターでMacの画面を映し出すと細かい文字までくっきりとみることができる。13,000:1もあると大画面テレビと遜色ないと表現しても良い程度の画像が得られる。EPSONのEB-S10とAcerのH3570BDはルーメン数は同じくらいということになるのだがEB-S10は1:2000のコントラストなので総合評価としてはAcerの方が明ルイような印象になる。
プロジェクターを買って「こんなもんか」と思うくらいなら、最初からある程度の予算をかけてきちんとしたメーカーのものを買ったほうがいいと思う。スペックで比べることができれば良いのだが、実はそのスペックが信頼できないということが起きているのである。
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