はじめに
サウンドバーなどでお手軽にDolby Atmosを楽しむためにはという研究をしている。ただあれこれ接続を試すなら全てApple製品で揃えるのが簡単だった。
今、ピンク・フロイドのMoneyを聞きながらこの記事を書いているのだが気が変になりそう。もともとサイケな音楽だが、サウンドバーは目の前に音が広がる感覚だがイヤフォンのDolby Atmosは頭の中で響く。Moneyには人の声が入っている。遠くで宣伝カーの音が聞こえるなあと思ったのだが実は音楽の一部だった。
おそらくこれで映画を見続けるとちょっとおかしな感覚に陥るだろうと感じた。
頭の中で声が響き現実と区別できなくなるのは「幻覚」と一緒だ。この小さなイヤフォンは実は頭の動きを感知して音の聞こえ方を変えているためスピーカーで聞いているのかイヤホンなのかがわからなくなる。
次にAppleTVで無料コンテンツを視聴してみた。「窓際のスパイ」の1話が公開されている。iPhoneSE(第2世代)+AirPods Pro(第1世代)という組み合わせで見た。スマホを動かすと音源の場所が変わる。最終的に「イヤホンをつけていないかもしれない」と不安になった。
没入体験は結構「魔の世界だな」と感じたのだが体験するまでに結構時間がかかった。とにかく情報が不足している。
目次
一体何を買えばDolby Atmosになるんだ?問題
手元に多くのApple製品を持っているのだがそもそもどれが空間オーディオに対応しているのかがよくわからない。かろうじて手持ちのiPhone SE(第2世代)が対応している事はわかったのだがAirPods(第3世代以降)かAirPods Pro/Maxが必要だという。
とはいえ、そんなに簡単に対応するAirPodsなんか売っていないだろうと思った。そこでハードオフに行ったところ偶然Proを売っていた。ホワイトノイズが入るジャンク品である。おそらく右側のマイクが壊れており(一時リコール対象にもなっていたようだ)ノイズキャンセリングをかけるとホワイトノイズが乗る。
外部音声を取り入れる機能などが付いているがおそらくそれは使えないだろう。その代わりに価格は2,750円だった。マイクは生きていた。

しかしここでもサポート情報が錯綜しちょっともモヤモヤした結果になった。
条件が非常にややこしい。アップルサポートも知識がアップデートできておらずドキュメントに間違いがある。サポートスタッフの知識もあやふやだ。オペレータに記述が違う2つのドキュメントを見せて問い詰めたところ黙ってしまった。ドキュメントが充実していなためChatGTPに聞いても間違った答えが返ってくる。
プラットフォームの要件
- AppleMusicのサブスクリプション
- AppleTVサブスクリプションか映画購入
コンテンツの要件
- Dolby Atmosに対応しているコンテンツのみ。
- しかも英語の映画の日本語吹き替え版はDolby Atmos対応していない
ハードウェアの要件
これが今回混乱した要因だった。サポートでは「Macでも空間オーディオに対応している」と言われたがこれは嘘だった。サポートドキュメントにもIntel Macを除外していないものがありこれが混乱の原因となっている。一方で正確に記述している(Appleシリコンと書いてある)ドキュメントもある。
Apple製品を使う場合
- iOS18がインストールできるiPhone(iPhoneSE第一世代は含まれないがiPhone第2世代は含まれる)+AirPods第三世代以降、AirPods Pro、AirPods Max。
- MacBook Pro (2018 年モデル以降)、MacBook Air (2018 年モデル以降)、iMac (2021 年モデル) の内蔵スピーカー
- M1チップ以降のMac(つまりIntel Macは含まれない)+AirPods第三世代以降、AirPods Pro、AirPods Max。
- AppleTV 4Kと対応するサウンドバーの組み合わせ
Apple以外の製品を使う場合
AppleTVは4KでなくてもDolby Atmos配信している映画やテレビ番組がある。NetFlixやAmazon Primeなどは4KでなければDolby Atmosが楽しめなくなっている。Amazon Prime VideoのCM付きのプランはDolby Atmos対応をやめてしまったという情報もある。
- Chromecast with GoogleTV
- Dolby Atmos対応のサウンドバー(今回はDHT-S217を使った)
サブスクリプションでしかDolby Atmosが楽しめないというのがそもそも嘘だった
最初は「AppleTVはサブスク前提」だと思っていた。しかしこれは本当ではなかった。まずテレビドラマシリーズの第一話はお試し視聴できる。だがこれはサブスクサービスのお試しなのでAppleTV+と書かれている。映画はレンタルと購入が可能。
そもそも名称が複雑でサポートと話をしていても混乱する。
- AppleTVというハードウェア
- AppleTVというソフトウェア(アプリ)
- AppleTV+と言うサブスクリプションサービス
があるが、全く馴染みのない人には「何がなんだかさっぱり」だろう。
iPhoneのAppleTV視聴はすぐに始められるがやたらと「AppleTV+の無料お試ししませんか?ボタン」がでてくる。ChromeCast with GoogleTVはもっと複雑でiPhoneでログインしなければAppleTVアプリの中身は見られない。AppleIDを持っているかを厳しくチェックしているのだ。ここで「サブクスクに誘導されるのでは」と思ったのだが、それはない。
接続の容易さはさすがにApple製品という感じ
AirPods Proもジャンクなので使えない可能性もあった。電源ボタンをさがしたが見つからない。何かマニュアルが必要なのだろうと思ったのだが実はケースに入れてふたを開けると自動的に認識される。

このあたりのユーザーインターフェイスはさすがにAppleという感じだった。
外すときも簡単だ。耳から外すと音が消える。YouTubeなんかを見ていると再生も止まる。またケースにいれて蓋を閉めると見えなくなる。蓋にも蓄電機能があり継ぎ足し充電がされる。
「自動接続」にしていなければケースを開けた状態でペアリングをやり直し別のMacと接続することも可能だし自動に設定しておけば出して耳につけただけでペアリングが完成する。
肝心の聞き心地は?
さて肝心のDolby Atmosの聞きごこちだが実に不思議だった。音楽なので映画のような派手な効果は期待できない。例えばミサイルが上空に飛び交ったりというようなことはない。だが、しばらく聞いていると「外の音を聞いているのか」「イヤフォンの中から聞いているのか」がわからなくなってくる。
さらに冒頭のピンク・フロイドのように(もともとサイケデリックな曲調だが)幻想的な曲を聞いているとまるで幻想のように聞こえる。もともとの音声をDolby Atmosで作り直しているそうだ。
あえてDolby Atmosを選ぶ人は多くないかもしれないが、音楽好きの人はステレオに戻れなくなるかもしれない。
またDolby Atmosが聞きたい人のためにプレイリストも準備されているのでコンテンツに困ることはないだろう。
フルワイヤレスイヤホンではダントツ人気なんだろうと思ったのだが、意外なことに上位には来ていなかった。やはり値段が高いもんなあと感じた。似たような充電機構を持ったイヤホンが多数作られているようだ。
Dolby Atmos対応のイヤフォンも多数出ている。
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