サウンドバーやホームシアターシステムを買ってお家時間を充実させたいが後悔はしたくないと言う人たちに向けた情報をまとめた。また個人的に後悔した点を4つまとめた。
後悔しないための4つの質問リスト
スペックを見る前にまず4つのリストを確認してみよう。
✅️ 特別な時間を楽しみたいのか、日常を便利にしたいのか?
✅️ 実際に一日のうちでどのような映像コンテンツを見ているのか
✅️ 接続する映像機器の洗い出し
✅️ ユーザーの年齢(高齢者対策)
ストリーミングサービスが充実し自宅でもFireTVやGoogle Chrome Castを使ってAmazon Prime Videoを楽しむことができるようになった。Amazon Prme Videoは体験しやすい広告付きプランがあり600円と安価だ。お家時間を楽しむためにはサウンドバーは賢い投資だろう。
目次
✅️ 特別な時間を楽しみたいのか、日常を便利にしたいのか
当初、このコンテンツは「できるだけ安くオーディオシステムを作る」というコンセプトで書いていたのだが、このやり方は却って後悔が増えそうな気がする。それよりもライフスタイルをデザインするという姿勢が重要だ。
特別な時間を楽しみたい人は思い切ってホームシアターシステムを買ってお金をかけた方が良いような気がする。「オーディオルームを設計する」つもりのほうが結果的に無駄を省くことができる。音に包まれる感覚がまるで違う。
一方で日常を便利にしたいだけの人は普段使えるサウンドバーに賢く投資をしたほうがいい。

✅️ 実際に一日のうちどれくらいどんな映像コンテンツを見ているのか?
設計を行う上で最も重要なのは実際に一日にどれくらい・どんな映像コンテンツを見ているかである。テレビのスピーカーシステムも良くなってきているので漫然とテレビを見ているだけという人が思い切ったサウンドシステムを買う必要はない。
例えばパソコンを主に使っている人であればパソコン用のスピーカーを豪華なものにしたほうがいい。モバイル機器中心という人であればBluetooth接続が充実したもののほうがいいだろう。
✅️ 接続する映像機器の洗い出し
4Kテレビで映像作品を見たい人はもちろん4K映像に対応したサウンドバーを買わなくてはいけない。ここで、意外と重要なのがHDMIで接続する機器の数である。かつてはHDMI端子が複数ついている廉価版のサウンドバーも売られていたが今では数がすっかり少なくなってしまった。
現行品ではJBL Bar 1000がHDMIポートを3つ持っているのだが、アタッチ式のリアスピーカーがついたホームシアターシステムになっている。
つまり「普段づかいしかしない」からサウンドバーを選んだ人でも、テレビ・ゲーム・FireTV Stickなど複数の装置を使いたい人は結果的にホームシアターシステムを選ばざるを得ないかもしれない。
HDMI切替器というものが売られておりこれを使うという人が増えているようだが思ったような音信号が伝わらなかったりするようである。
✅️ ユーザーの年齢(高齢者対策)
高齢者がいる場合には音声がクリアなる仕組みがついているのかは確認したほうが良さそうだ。SONYはClear Audio+、Yamahaはクリアボイス、DENONはDIALOG ENHANCERと言っている。
実際に試したところSONYは電子音楽が得意で声の分離も得意なようだ。全体を整えてくれる。一方でDENONは自然な音にこだわっている。DHT-S217にはDIALOG ENCHANCERという仕組みがついていてLOW, MED, HIGHの三段階で声をはっきり聞けるようにしてくれるのだが「あれ?」と思うこともある。
残念ながら高齢になればなるほど人の声を周囲の雑音と分離するのが難しくなるので家族に高齢者がいる人はこのあたりも研究したほうがいいかもしれない。
個人的にサウンドバーで後悔した点4つ
❌️ 過剰で間違った期待をしてしまった
サウンドバーは後ろから音に包まれる感覚は得られない。何だ映画館じゃないのかとがっかりした。しかしよく聞いてみるとフロントから広がりがある音が得られる。結局、製品がどんな広がりのある音を提供してくれるのかを理解していなかった。
❌️ どんなコンテンツがどんな音声フォーマットに対応しているのかを知らなかった
どんなコンテンツがどんな音声フォーマットに対応しているのか理解していなかった。2.1chの音でもバーチャル3Dで広がる。逆にDolby Atmos対応の設備とコンテンツを持っているのに知らなかったりした。
❌️ 正しい設定をしていなかった
特にMacを使っているとオーディオ・アプリで正しくスピーカー設定する必要がある。これをやったところ普通のYouTube(音楽)がフロントサラウンドで聞こえてびっくりした。
❌️ どうせダメだろう・高いんだろうと諦めてしまった
しばらくのあいだは「サブスクは高いしなあ」と思っていたのだが、実はAppleTVは買い切りで映画が買える。500円でDolby Amostを聞けて大満足で「なぜ早くやらなかったんだろう?」と思った。サウンドバーもDolby Atmosが当たり前になっていて結構安く手に入った。
基礎知識:サウンドシステムはサービスエリア(音の広がる空間の広さ)と用途で選ぼう
流行りの立体音響はイヤホンで試してからでもいいのではないか
冒頭で述べたように「本格的に音に包まれたい人」はホームシアターがいい。今回はホームシアターシステムの5.1chとバーチャルのDolby Atmosを比較したがバーチャルのDolby Atmosでは期待したような「音に包まれる感じ」は得られなかった。一方でAppleMusicやAppleTV+がDolby Atmosに対応しており非常に深い音楽体験ができた。
Appleはコンテンツクリエイターとタッグを組み音楽分野でDolby Atmosの普及を図っている。Apple製品で固めるとクリエイターがデザインした音の仕組みを簡単に試すことができるだろう。
8畳以上の広い部屋で複数で映画を楽しみたい人はホームシアターを検討した方がいい。個人的にはプロジェクターを使って大画面テレビを実現しこれに5.1chのホームシアターシステムを合わせている。

最近ではアップルシリコン対応のMacがHDMIパススルーに対応したのでDolby Atmos対応のサウンドバーから立体音響を出せるようになった。
6畳の部屋で一人で映画を楽しみたい人や、机にテレビを置いて映画を見たい人にはサウンドバーで十分だろう。パーソナルな映画空間が作れるし、人によってはイヤホンでも十分かもしれない。
Amazonの売れ筋では、JBLの製品が最も格安なホームシアターシステムとして人気だ。JBL Bar 800はサウンドバーの一部を切り離して後ろに置くことで、リアル5.1chサラウンドを実現している。

立体音響のDolby Atmosを正確にデコードする製品をDENONがお求めやすい価格で出している。
よく、メーカーのWebサイトに「音場」のイメージ図が書かれている。実際にこれを見ると音に包まれる感じがするかもしれない。

だが実際には(そもそもバーチャルなので)ここまでの包まれ具合にはならない。これはあくまでも「概念図=参考程度」に留めるべきなのではないかと思う。

ホームシアターシステムを買って後悔する人
個人的には
- ホームシアターシステムが買えて置けるならホームシアターシステムにすべき
と思う。
正しくスピーカーを設置したホームシアターシステムで音を聞くと本当に家が映画館になる。サービスエリア(音が立体的に聞こえる範囲)は自由に設定できる。スピーカーを配置して自分で音を調整できる。このため大人数で映画を楽しむようなソリューションを作るのに向いている。
最近では「サウンドバーだけ買ってあとからホームシアターにする」というシステムも売られている。SONOSはサウンドシステム構築ガイドを出している。
初期型は配線が厄介だったが……
上手にホームシアターシステムを設置して上手に音場を設定すると「音で包まれる感覚」が得られる。音場はきわめて自然だ。まずスピーカーを部屋の四隅に置いてその後でバランスを設定する。

初期型のホームシアターシステムは配線が面倒だった。たとえばこのSONYのホームシアターシステム(HT-K31)は特殊なプラグを使っている。コードを束ねて使っていると重みで接続が緩むため使わない間に音が聞こえなくなることがあった。そのため定期的にサウンドテストをして結線が正しくできているかを確認する必要が出てくる。実に面倒だった。

5.1chでも音に包まれる満足度は高い
YHT-S351は最初は2.1chで始めることができる5.1chシステムを売っていた。今回はハードオフでこれを買ってきて試した。
まず2.1chで試してからセンタースピーカーを足しサテライトスピーカーを足すいう仕組み。2.1chでもAIR SURROUND XTREME技術を採用しており音の広がりが得られる。AIR SURROUND XTREME技術はサービスエリアが広いのが特徴だそうだ。

古いシステムをハードオフなどで探すと5,000円〜10,000円程度で手に入ったりする。今回手に入れたYAMAHA YHT-S351は4,400円で手に入れたが元々の価格も40,000円程度だったそうだ。しかしリモコンがないと設定ができないので中古ショップで探す人はぜひリモコン付きを選ぼう。
ホームシアターシステムを買うならそれなりの設計が必要
今回は数千円で中古品を買ってきたが、最新モデルをフルセットで揃えると20万円から30万円くらいの値段になる。それなりの設計をやってから買ったほうがいい。
SONYのHT-A9はAmazonでサブウーファーなしでも230,000円と高価である。SONYも拡張スピーカーを売っている。SA-RS3SとSA-RS5Sいう商品だ。実質的にHT-S2000(54,000円)以降にしか対応していないなど組み合わせが複雑だ。
SONOSはサウンドシステム構築ガイドを出している。まずサウンドバーを買い、サブウーファーを追加し、リアスピーカーを買って、最後にサラウンドスピーカーを揃えるという揃え方をするそうだ。興味のある人はぜひ一度見ておくと良いだろう。
どこでもいい音が聴こえるわけではないという定位置問題
ホームシアターは正しく設定すると確かに臨場感のあるいい音がする。ただ、最大限の効果を得るためには定位置(座る場所)を決めた上でスピーカー音量を調整する必要がある。
リア・フロント共にスピーカーの位置は非常に重要だ。長い間棚の上にスピーカーを置いていたのだが耳のある高さに置いたところ確実に満足度が上がった。フロントスピーカーは耳の高さに合わせリアスピーカーは高さを少し変えるといいそうだ。ダイソーのコーナーボードを買ってきて場所を調整したらサラウンド感が格段に上がった。ダイソーで一番小さい棚は100円だった。

結局、このYHT-S351がメインシステムになった。目の前である程度の距離を開けて設置するとかなり広い空間でサラウンド音響が楽しめる。この後でリモコンを手に入れてスピーカーを5.1chに拡張した。
この個人的な体験が「できるならリアルサラウンドにしたほうがいい」と考える理由だ。YamahaのYAS-108も買ってきて試したがやはり3Dサラウンドといってもバーチャルはバーチャルなのである。

サウンドバーを買って後悔する人
はじめに
新品のホームシアターシステムはあまりにも高い。このため現実的なソリューションとしてサウンドバーシステムがよく売れている。だが、スペックが読めないと期待通りの効果が得られないことがある。
後悔する理由は2つある。
- 映画館並の臨場感と音質を期待してがっかりする場合
- 拡張性のないものを買ってしまい後から後悔する場合
サウンドバーはホームシアターの代わりにはならない
ホームシアターに慣れた人がサウンドバーを買うと、包みこまれるような音場は得られないため、確実にガッカリするだろう。サウンドバーのメリットは接続の手軽さだが、サービスエリアが狭い。広い部屋で使い「バーチャルでは立体音響が楽しめない」と考える人や、「後ろから音が聞こえない」と不満を持つ人もいるが、そもそもそういう製品ではない。
サウンドバーは部屋全体に音が広がるわけではない。また、安さに釣られて10,000円台のものを買うと、後からサブウーファーやレコーダーが設置できないなど、拡張できないことがある。
検討すべき項目は多岐にわたる。FireTVやChromeCastで映画館のような音響を楽しみたいなら、サブウーファーつきで最低5.1ch対応が必要だ。
最も安い価格帯のものはテレビ接続しかできず、レコーダーなどの外部接続に対応していない場合がある。また、サブウーファーが後付けできるものとできないものがあるため、後悔したくないならセットで買うか、追加できるものを買わなければならない。
チャンネル数も重要で、サラウンドが必要なら最低5.1ch、立体音響も楽しみたいなら5.1.2ch、7.1.4chなどを選択する必要がある。スマホと接続したいならBluetooth機能、立体音響ならDolby Atmos対応のサウンドバーを選ぶべきだが、対応音源の有無は確認しておこう。
最後は好みだ。YAMAHAはクラシックなどを自然に再現できるが、ゲーム中心の人には意味がないかもしれない。個人的には、人工音の再生はSonyのほうが得意な気がする。
重低音よりコスパを意識する人が多いようだ
重低音は、電子音楽では必須ではないかもしれないが、家で映画館のような体験をしたい人はサブウーファーがあったほうがいいだろう。迫力が断然違うからだ。音楽メインならBluetooth対応の安価なものでも十分だが、クラシックやジャズでは製品の向き不向きがある。立体音響を体験したいならDolby Atmos対応機材が必要だ。
サウンドバーには、1万円台の低価格帯とそれ以上の価格帯の2種類がある。1万円台の製品はサブウーファーが後付けできず、HDMI端子も一つで、テレビの音を拡張したい人向けだ。一方、それ以上の価格帯のものはサブウーファーや複数のHDMI端子に対応している。録画機を接続する場合、サウンドバーにINとOUTのHDMI端子が必要だ。テレビがARC非対応なら光ケーブル接続も必要になる。
私はSONY CT-380をiMacの前に設置した。iMacでの映画鑑賞には十分なエリアだが、Amazon PrimeビデオをBluetooth接続で見ると立体感は出ない。しかし、FireTV StickをHDMI接続しプロジェクターで映像を出すと、耳横からやや後方まで音が広がり、立体音響を実感できた。CT-380のサービスエリアは「個人の感想」れべるだろう。メーカーはサービスエリアについて解説していない。しかし個人的に満足できるならまあこれでもよいだろう。ただしオーディオアプリを使って正しく7.1chに設定しておくことをおすすめする。これだけで広がりが違ってくる。

多くのユーザーは20,000円台まで出してDolby Atmosくらいは楽しみたいと、なんとなく考えている
メーカーは多くのオプションを付けたいだろうが、実際はDolby Atmosなどが楽しめる最も安価な製品に人気が集中する。2023年1月時点で、DENONのDHT-S217Kが2位、YamahaのSR-B30Aも人気だ。SR-B30AはDolby Atmos対応で最安帯であり、ユーザーが立体音響を求めていることがわかる。ただし、SR-B30Aの低音は別途サブウーファーが必要な場合もある。
立体音響では注意が必要だ。初期はBlu-rayプレイヤー対応の7.1chが多かったが、ストリーミング中心になるとDolby Atmos対応が増えている。これはChromeCastやFireTVなど安価な対応ハードウェアが出ているためだろう。
1万円程度の製品はテレビ放送向けだが、ChromeCastやFireTVを前提にするならもう少し高価な製品も検討すべきだ。自分がサブスク中心かテレビ中心かを最初に決めておくと、必要なスペックを割り出しやすいだろう。

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