鉄道に関する常識が破綻している「ブレット・トレイン」(2022年)を見る

シアターシステムを研究していて「これで映画を見たらどうなるのだろうか?」と思った。FireTV Stick第二世代を購入して様々なセッティングで映画を見ている。今回ご紹介するのはブラッド・ピット主演のブレット・トレインだ。監督はデヴィッド・リーチである。監督はスタントマン出身なのだそうだ。結論から言うと一度見たらもういいやという感じだった。原作は伊坂幸太郎。

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ブラッド・ピットが演じる主人公「レディ・バグ(てんとう虫)」が東京から京都に向かう夜行の弾丸列車に乗り込むところから始まる。弾丸列車は一晩かけて京都に向かうのだが、ここでもう設定が破綻している。新幹線の所要時間が3時間を切っているということがすっかり忘れ去られているからだ。現実の新幹線は運行が監視されておりコンピュータ制御で安全装置が働いているのだが、この弾丸列車にはそういう仕組みがない。アメリカにこのような高規格鉄道はないのでよくわからなかったのだろう。

鉄道を密室に見立ててその中でいろんなアクションがあったら面白いだろうなあという着想のもと組み立てられている。このため周囲の乗客などはすべて「モブキャラ」扱いで、派手な殺戮が車内で繰り広げられていても誰も何も言わない。さらに鉄道の中には拳銃が持ち込み放題だ。最後は駅がヤクザに占拠されるのだが、何の騒ぎにもなっていない。

最後について言及するとネタバレになってしまうのだが、いかにもセットといった感じでチャチである。

逆に小さな画面でそれなりの立体音響さえあればそれなりに楽しめる佳作といえる。極端な話小分けにしてみてもそれなりに楽しめる。

ちなみに後でWikipediaで見て知ったのだが、17番目に巻き添えになって死ぬ男が監督のデビッド・リーチなのだそうだ。


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