「サウンドバーなどでDolby Atmosを楽しむには」という研究をしている。Dolby Atmos対応のDH-S217と言うサウンドバーを買ってきたのだがランプがDolby Atmos対応にならず(しかし高さ情報は感じられる)モヤモヤした。そうこうしているうちに「実はiPhone SE(第2世代)でも聞ける」と知り試してみたくなった。
AirPodsのレビューはYouTubeを中心に多く出回っておりすでに見飽きた・聞き飽きたと言う人も多いだろう。
逆に
- AirPodsなんか若者のものだろ
と思っている人もいるだろう。そういう人にこそ試してもらいたい。
今、ピンク・フロイドのMoneyを聞きながらこの記事を書いているのだが気が変になりそうな感覚がある。サウンドバーのDolby Atmosは目の前に音が広がる感覚だがイヤフォンのDolby Atmosは頭の中で響く。Moneyには人の声が入っている。遠くで宣伝カーの音が聞こえるなあと思ったのだが実は音楽の一部だった。
おそらくこれで映画を見続けるとちょっとおかしな感覚に陥るだろうと感じた。
頭の中で声が響き現実と区別できなくなるのは「幻覚」と一緒だ。実は頭の動きを検知している。人が頭を動かすと右耳と左耳の聞こえ方が変わる。つまり動かないものの方向性が頭を動かすとわかるのだ。この小さなイヤフォンは実は頭の動きを感知して音の聞こえ方を変えている。
次にAppleTVで無料コンテンツを視聴してみた。「窓際のスパイ」の1話が公開されている。iPhoneSE(第2世代)+AirPods Pro(第1世代)という組み合わせで見た。スマホを動かすと音源の場所が変わる。最終的に「イヤホンをつけていないかもしれない」という感覚になった。
- サラウンドは音が飛び交う体験
- Dolby Atmosは没入感
という違いがあるんだなと感じた。
没入体験は結構「魔の世界だな」と感じたのだが体験するまでに結構時間がかかった。
一体何を買えばDolby Atmosになるんだ?問題
手元に多くのApple製品を持っているのだがそもそもどれが空間オーディオに対応しているのかがよくわからない。かろうじて手持ちのiPhone SE(第2世代)が対応している事はわかったのだが、AirPods(第3世代以降)かAirPods Pro/Maxが必要だという。
とはいえ、そんなに簡単に対応するAirPodsなんか売っていないだろうと思った。そこでハードオフに行ったところ偶然Proを売っていた。ホワイトノイズが入るジャンク品である。おそらく右側のマイクが壊れており(一時リコール対象にもなっていたようだ)ノイズキャンセリングをかけるとホワイトノイズが乗る。
外部音声を取り入れる機能などが付いているがおそらくそれは使えないだろう。その代わりに価格は2,750円だった。マイクは生きていた。
しかしここでもサポート情報が錯綜しちょっともモヤモヤした結果になった。
条件が非常にややこしい。アップルサポートも知識がアップデートできておらずドキュメントに間違いがあり、サポートスタッフもあやふやだ。オペレータに記述が違う2つのドキュメントを見せて問い詰めたところ黙ってしまった。
ソフトウェアの要件
- AppleMusicのサブスクリプション
- AppleTVサブスクリプション
コンテンツの要件
- Dolby Atmosに対応しているコンテンツのみ
ハードウェアの要件
これが今回混乱した要因だった。サポートでは「Macでも空間オーディオに対応している」と言われたがこれは嘘だった。サポートドキュメントにもIntel Macを除外していないものがありこれが混乱の原因となっている。なお正確に記述している(Appleシリコンと書いてある)ドキュメントもある。
- iOS18がインストールできるiPhone(iPhoneSE第一世代は含まれないがiPhone第2世代は含まれる)+AirPods第三世代以降、AirPods Pro、AirPods Max。
- MacBook Pro (2018 年モデル以降)、MacBook Air (2018 年モデル以降)、iMac (2021 年モデル) の内蔵スピーカー
- M1チップ以降のMac(つまりIntel Macは含まれない)+AirPods第三世代以降、AirPods Pro、AirPods Max。
- AppleTV 4Kと対応するサウンドバーの組み合わせ
手持ちのMacはすべてIntel MacなのでMacでAppleMusicを聞いてもTVアプリを使っても空間オーディオは楽しめないということになる。ただライブラリは共通しているので非対応のMacでもアトモスファイルをライブラリにダウンロードすることができる。またアトモスバッジも付いてくる。
サブスクリプションでしかDolby Atmosが楽しめないというのがそもそも嘘だった
最後に「AppleTVはサブスク前提」も嘘だった。まず無料体験ができる。テレビドラマシリーズがお試し体験できるのだ。だがこれはサブスクサービスのお試しなのでAppleTV+と書かれている。そしてサブスク(AppleTV+)ではなく購入もレンタルも可能だった。
そもそも名称が複雑でサポートと話をしていても混乱する。
- AppleTVというハードウェア
- AppleTVというソフトウェア(アプリ)
- AppleTV+と言うサブスクリプションサービス
があるが、全く馴染みのない人には「何がなんだかさっぱり」だろう。
iPhoneのAppleTV視聴はすぐに始められるがやたらと「AppleTV+の無料お試ししませんか?ボタン」がでてくる。ChromeCast with GoogleTVはもっと複雑でiPhoneでログインしなければAppleTVアプリの中身は見られないならない。AppleIDを持っているかを厳しくチェックしているのだ。ここで「サブクスクに誘導されるのでは」と思ったのだが、それはない。しかし、そもそもChromeCast with GoogleTVでは映画を買ったりレンタルできない。
接続の容易さはさすがにApple製品という感じ
AirPods Proもジャンクなので使えない可能性もあった。電源ボタンをさがしたが見つからない。何かマニュアルが必要なのだろうと思ったのだが実はケースに入れてふたを開けると自動的に認識される。
このあたりのユーザーインターフェイスはさすがにAppleという感じだった。
外すときも簡単だ。耳から外すと音が消える。YouTubeなんかを見ていると再生も止まる。またケースにいれて蓋を閉めると見えなくなる。蓋にも蓄電機能があり継ぎ足し充電がされる。
「自動接続」にしていなければケースを開けた状態でペアリングをやり直し別のMacと接続することも可能だし自動に設定しておけば出して耳につけただけでペアリングが完成する。ただしiMac 2015はどういうわけかすんなり接続されない事がある。
肝心の聞き心地は?
さて肝心のDolby Atmosの聞きごこちだが実に不思議だった。音楽なので映画のような派手な効果は期待できない。例えばミサイルが上空に飛び交ったりというようなことはない。だが、しばらく聞いていると「外の音を聞いているのか」「イヤフォンの中から聞いているのか」がわからなくなってくる。これはDolby AtmosだけではなくMacのYouTubeのコンテンツでも同じような感覚が得られる。
さらに冒頭のピンク・フロイドのように(もともとサイケデリックな曲調だが)幻想的な曲を聞いているとまるで幻想のように聞こえる。もともとの音声をDolby Atmosでやり直しているそうだ。
あえてDolby Atmosを選ぶ人は多くないかもしれないが、音楽好きの人はステレオに戻れなくなるかもしれない。慣れると通常のスレレオがものたりなくなるかもしれない。
またDolby Atmosが聞きたい人のためにプレイリストが準備されているのでコンテンツに困ることはないだろう。
フルワイヤレスイヤホンではダントツ人気なんだろうと思ったのだが、意外なことに上位には来ていなかった。やはり値段が高いもんなあと感じた。似たような充電機構を持ったイヤホンが多数作られているようだ。
Dolby Atmos対応のイヤフォンも多数出ている。
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