Dolby Atmosは必要か 別にいらないのではないか?

Dolby Atmosとか空間オーディオと言う言葉がある。最新のオーディオ機器がDolby Atmos対応を謳っているがコンテンツが少ないこともあり「本当に必要なのか?」という声がある。結論から言うと「面白い体験ができますよ」ということになる。

ポイントは2つある。

  • 没入感が得られる(音楽や映画に浸ることができる)
  • 個々の楽器やモノの動きがはっきりと分かる(粒立ち・解像度が良くなる)

のがメリットだ。

そもそもDolby Atmosは高価なのでは?

さらに「Dolby Atmosは高いのではないか?」と言う気もする。今回試すにあたっての出費はChromeCast with GoogleTV(1,650円)+サウンドバー(16,500円)+AirPods Pro(2,750円)だった。これに手持ちのiPhone SE(第2世代)と手もちのHDMIモニターを使った。AppleMusicはお試し期間中でAppleTVで映画を買うこともできる。

没入感が得られる

当初、サラウンドのイメージがありDolby Atmosといえば物体が縦横無尽に飛び交うのが魅力だと考えていた。これは必ずしも正しくなかったようだ。このためDolby Atmosを使ってもあまり違いがわからないと言う人がいる。確かにミサイルが高いところから低いところに落ちてくるという演出もできるのだが、そんなコンテンツばかりではない。

そもそも人はなぜ音の方向性がわかるのか

そもそも人はなぜ音の方向性がわかるのか。ものが動いていれば左右の音圧が変わる。動かない場合は人が頭を動かす。すると音圧の変化が生じ方向がわかる。

これがよく分かるのがAirPods Proのようなイヤホンだ。頭の動きを感知してバランスを変えたりしている。このときにわざわざ専用のチップを使っている。映像作品をAirPods ProとiPhoneの組み合わせでみると特にこれがよく分かる。イヤホンは頭の中に音場を作るために特に没入感が得られる。

つまり、日常を一旦忘れて映画や音楽に浸りたい人にとっては魅力的な音声フォーマットになっている。

粒立ちが増す

もう一つの魅力が音楽の粒立ちである。楽器の場所を微妙に変えることでステレオ以上の粒立ちを実現している。これは良し悪しである。

オーケストラで「一つ一つの楽器の音が聞き分けたい」という人はいないはずだ。それぞれの音が渾然一体となって一つの印象が形作られる。ホールは全体の音楽が混じり合うことで一種独特な雰囲気が作られる。

しかし、現代の電子音楽を聞いていると実に様々な効果音が使われている。これらが渾然一体となって一つの雰囲気を作ることもあるが、一つ一つの要素が分離していたほうが「ビート感」が得られることもあるだろう。

B’zのOcean(ステレオ)とジェファー・ロペスのIt’s me…now(Dolby Atmos)を聞いてみた。目をつぶって両方を聞くとIt’s me…nowはダンスホールで音を聞いているような雰囲気に浸れる。Oceanでも同じ音処理をすれば「松本孝弘氏のギターが際立って聞こえる」わけでこうした曲を求める人はいるだろうと思った。

この粒立ち感は映画の効果音楽にも生かされている。映画をイヤホンで聞いている場合にはiPhoneを動かすと音が変わると言う没入感も追加されるので、その体験は独特のものになる。

Dolbyがデモ音源を用意している。MacだとSafariとChromeで確認した。AirPods Proのように空間オーディオ対応のイヤホンで聞くと空間オーディオが楽しめる。AppleMusicはAppleシリコンのMacでないとDolby Atmosに対応していないがこの音源はIntel Macでも聞くことができた。


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