EOS Kiss X4などのCANON EFシステムのレンズを買い揃えた。こうなるとどのレンズがどんな効果をもたらすのかが知りたくなる。そこでそれぞれのレンズを使ってポートレートの研究をしてみた。最も高いレンズは4,000円のEFSレンズで最も安いレンズはおそらく500円とかそんな感じだったと思う。
カメラからの距離は4メートルにした。リモコンで撮影するとだいたい5メートルくらいがぎりぎりになる。
標準ズームレンズ:最終の作品
E3.5のレンズを使い、色調(コントラスト)を調整し、三分割法を使って構図を整理した上でクロップした。
ここに行き着くまでの過程を整理する。
EFSレンズとEFレンズの違い
まず、最初はEFSレンズとEFレンズの標準レンズの違いを見ることにした。
EFレンズの標準ズームは比較的安価に手に入る。一方のEFSレンズの標準ズームはジャンクなどでは手に入れにくく4,000円程度するものをわざわざ購入した。
ところがこの広角のレンズは背景情報を広く入れ込むには向いているがポートレートのためにわざわざ購入するようなものでもないということがわかった。こういう広場にいますよという説明写真のように見えてしまう。最広角で撮ると周辺の情報を全部拾った説明的な絵柄になるのだ。
普段撮りのポートレートならEFレンズを一本持っていれば十分に事足りるようだ。
同じような条件のレンズをつけたSONYα100でも同じような実験をしてみた。こちらはリモコンを使わなくても焦点が合うので少し距離を取った撮影ができる。だがやはりそれほど背景ボケは期待できないようだ。
F1.8の明るいレンズ
さてF1.8という明るいレンズを持っている。EF 50mm 1:1.8 IIというタイプである。距離4メートルでは全身を入れることができなかった。赤外線リモコンを使うとだいたい5メートルくらいまで離れることができる。これでぎりぎり全身が入らないくらいになる。
さらに深度調整がシビアなのでジーンズにピントが合ってしまうと顔にはピントが合わない。ポートレートで実用的に使えるのはF2.8くらいになる。ただ、背景は綺麗にボケてくれるので「一眼レフらしい」写真を撮影できるのは確かだ。プロならともかくアマチュアが持てる格安中古レンズとしては十分な性能と言えるかもしれない。
今回は三脚を被写体の1/2の高さに合わせているのでバストアップで写真を撮影するなら三脚をもう少し上に上げる必要がある。
構図を工夫してみる
F1.8のレンズはきれいに後ろがボケることがわかったので構図を工夫してみた。まずカメラを90度回して撮影した。リモコンが届く範囲で全身をおさめることができる。
三脚を少し上に上げてバストショットを狙う。おそらくこれが最も好ましいこのレンズの使い方なのではないかと思う。
逆に自分が低くなっても良いわけだから座ってみた。
さらに陰影が付くところを探すとこんな写真になった。アマチュアの場合は立つよりも座った方がポーズは取りやすい。F1.8の明るいレンズなので陰影をつけてやるとかなりそれっぽい写真が撮影できる。
整理されているなあと思ったのだが、なぜ整理されているのかがわからなかった。偶然に1/4グリッドに合わせて構図を取っていたようだ。このことから適当なグリッドを使って写真をクロップすればそれなりにこなれた写真が撮影できることがわかった。
これを踏まえて標準レンズを使ってみる
これを踏まえて標準レンズを使ってみた。適切な背景を選ぶと背景はボケてくれるので結局クロッピンクの問題という気がする。背景を整理しきれていないのである。
レンズがどうというより画角を広く取りすぎているのが問題なのかもしれない。F3.5で撮影した。
ここまでくるとあとはグリッドを作って全身を1/3とか1/4のフレームに収めてやればそれなりに整理できた写真をつくることができた。
ポートレートでは絶対に使わない望遠レンズ
一応、望遠レンズも買ったので試してみた。カビが見えるという理由でジャンクになっていたEF 100-200mm 1:4.5 Aというレンズだ。1988年発売で1989年製造の一本なのだが、そのままエラーを出さずに現在のEFマウントで利用できる。
おそらくもっと離れれば背景ボケがあり背景情報があまり入らない写真が撮影できるとは思う。銀杏がきれいなので背景が真っ黄色というような写真が撮影できるはずだ。だがこれを自撮りしようとすると最初にマニュアルフォーカスで置きピンしなければならないだろう。
だが光学性能が落ちているわけではないのでジーンズの織り柄がよくわかり手にリモコンを持っていることもばっちりと映すことができた。重くて嵩張るという点を除けば意外と使える一本なのだ。
番外編
さて番外編として広角なレンズを使って近づいたらどうなるかをやってみた。背景情報が全て乗った上に被写体の生々しさが出てしまう。さらに周囲が細く歪むのだから当然中心は太く大きく映ってしまう。
特に今回は自分が被写体なので思わず「うわっ」と思ってしまった。ドキュメンタリなど使い方はあるのかもしれないが明らかにポートレートには向いていない。ただスマホで自撮りするとこういう写真になりがちだ。
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