Dolby Atmosは必要か 別にいらないのではないか?

Dolby Atmosとか空間オーディオと言う言葉がある。最新のオーディオ機器がDolby Atmos対応を謳っているがコンテンツが少ないこともあり「本当に必要なのか?」という声がある。結論から言うと「面白い体験ができますよ」ということになる。が、自分にピッタリのソリューションを探すにはコツも必要だ。

メリットはいくつかある

  • 音楽や映画に浸ることができる=没入感
  • 個々の楽器やモノの動きがはっきりと分かる(粒立ち・解像度が良くなる)ためアーティストの意図がわかる=粒立ち
  • イヤホンを使ってもスピーカーで聞いているような感覚が得られるから近所迷惑にならない

のがメリットだ。

最後のメリットは「隣近所に邪魔されずに大きな音響で臨場感のある映画や音楽が楽しめる」ということになる。通勤時間にホームシアターを持ち運べると表現してもいい。しかも手持ちのiPhoneやiPadと対応するAirPodsがあればいい。

ただ、

  • 対応コンテンツが必要

という問題点もある。

そもそもDolby Atmosは高価なのでは?

「Dolby Atmosは高価のではないか?」と思う人もいるだろう。確かに家に本格的な映画館を作るなら「高価」になる。

今回試すにあたっての出費はChromeCast with GoogleTV(1,650円)+DENONサウンドバー(16,500円)+AirPods Pro(2,750円)だった。ここにiPhone SE(第2世代)と手もちのHDMIモニター組み合わせた。なぜこんなに安くすんだかというとハードオフで探したからである。

  • Apple Music(月額1080円) + iPhone SE (第2世代) + AirPods Pro
  • DENON DHT-S217などの廉価なDolby Atmos対応サウンドバー + Chromecast with Google TV/ Fire TV Stick 4K以上+ Apple TVで映画のレンタルか購入(映画は100円程度からレンタルできる)
  • DENON DHT-S217などの廉価なDolby Atmos対応サウンドバー + Chromecast with Google TV/ Fire TV Stick 4K以上+ Apple TV(サブスク・900円)

くらいがお手軽コースだ。

実はAmazon PrimeのDolby Atmosは4K映画に付随するサービスだ。このため4KサポートのChromeCast with Google TV/ Fire TVが必要となる。またNetfixもUHD 4Kのプラン加入が必要。ところがChromeCast with GoogleTVで試したところAppleTVだけはHD映像でもDolby Atmos対応だった。FireTV Stick HDはAtmosに対応していない。

ハードウェアの支出を極力減らしたい人はまずスマホ+映画レンタルくらいから挑戦してみるといいかもしれない。手に入れる必要があるのはAirPods ProかAirPods第三世代以降だけ。

誰かのイニシャルが入ったAirPods Pro第一世代
ChromeCast with GoogleTVはDolby Atmos対応だった

500円で購入できる映画も – AppleTVは映画の価格が目まぐるしく変わる

今回はブレードランナー2049を102円でレンタルした。購入価格は800円程度だった。どきどきバーゲンがあり価格が変動するようだ。現在は普通価格に戻っていて購入が2037円、レンタルが713円になっている。ただ500円前後で購入できる映画の専用ページができていてDolby Atmos対応の映画が購入できるようになっていた。

没入感が得られる

当初、サラウンドのイメージがありDolby Atmosといえば物体が縦横無尽に飛び交うのが魅力だと考えていた。だが、これは必ずしも正しくない。このためDolby Atmosを使ってもあまり違いがわからないと言う人がいる。確かにミサイルが高いところから低いところに落ちてくるという演出もできるのだがそんなコンテンツばかりではない。疲れてしまうからだ。

そもそも人はなぜ音の方向性がわかるのか

そもそも人はなぜ音の方向性がわかるのか。ものが動いていれば左右の音圧が変わる。動かない場合は人が頭を動かす。すると音圧の変化が生じ方向がわかる。

AirPods Proのようなイヤホンを使うとよく分かる。頭の動きを感知して音のバランスを変えるためにわざわざ専用のチップを使っている。映像作品をAirPods ProとiPhoneの組み合わせでみると特にこれがよく分かる。イヤホンは頭の中に音場を作るために特に没入感が得られる。

つまり、日常を一旦忘れて映画や音楽に浸りたい人にとっては魅力的な音声フォーマットになっている。スピーカーで音を聞いている気分になるのだ。

粒立ちが増す

もう一つの魅力が音楽の粒立ちである。楽器の場所を微妙に変えることでステレオ以上の粒立ちを実現している。特に現代の電子音楽を聞いていると実に様々な効果音が使われているが、これがよく理解できるのだ。

B’zのOcean(ステレオ)とジェファー・ロペスのIt’s me…now(Dolby Atmos)を聞いてみた。目をつぶって両方を聞くとIt’s me…nowはダンスホールで音を聞いているような雰囲気に浸れる。

この粒立ち感は映画の効果音楽にも生かされている。映画をイヤホンで聞いている場合にはiPhoneを動かすと音が変わると言う没入感も追加される。その体験は独特のものだ。

Dolbyがデモ音源を用意している。MacのSafariとChromeで確認した。AirPods Proのように空間オーディオ対応のイヤホンで聞くと空間オーディオが楽しめる。AppleMusicはAppleシリコンのMacでないとDolby Atmosに対応していないがこの音源はIntel Macでも聞くことができた。

結論 まずは試してみよう

もちろん映画館のような臨場感が得られるという魅力があるのだが、住宅環境が悪い日本の場合は音に浸りたいが近所迷惑にならないかと考える人にとって非常に魅力的な規格になっている。

今回試した方法

最後に今回試した方法を書く。

まず信号が出ているかについてはDHT-S217で試した。ブルー(メーカーは水色だと言っている)が点灯すればDolby Atmos対応。後ろに小さく見えているのがChromeCast with GoogleTVだ。信号が確かめられたらiPhone SEとAirPods Pro第一世代でも試してみた。空間オーディオOFF・頭の動きを感知するモード・頭の動きを感知せずスピーカーを固定するモードが切り替えられる。

DENON DHT-S217

これとは別にDolbyのビジュアライザーを試した。音源をステレオとDolby Atmosに切り替えられる。AppleMusicをINTEL Macで聞くとAirPods Proを使ってもDolby Atmos対応にならないのだがなぜかDolbyの公式ページだけはきちんと立体的に聞こえる。おそらくハードウェアとしては対応しているがApple側で機能を制限しているんのだろうと思う。ヘッドフォン・イヤフォンのスピーカーは2つしかないはずだがいろいろなところから音が聞こえるという不思議な体験になる。AirPods Proを持っている人は是非試してもらいたい。


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